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星の王子さま(河野万里子・訳) [読書全般]

 今日は授業がつまっている上に、空き時間に自習監督が入り、別の空き時間には現在の奨学金担当者から相談を持ちかけられて昨年まではどうしていたかレクチャーしたり、放課後は30分ほどかけて加湿器に水が入ったままのタンクをチェックして、すべてを空にする作業をしたり、もうへとへと。さあ、定時に帰るぞと支度をしはじめていたら、養護教諭がいきなり朝イチに持ちかけてくるような仕事の話をしだして、どうしようもないので週明けにすると言い置いて、退散。心身ともに疲弊しているところに準備も何もしてへん仕事をやりはじめてもろくな結果にはならんということは経験上ようわかっている。まずは土日でリフレッシュすることが第一。
 帰宅して、読書をしたり妻と話をしたり。夜はサンテレビ「熱血!タイガース党」を見る。ゲストは大山内野手。レギュラーの濱中治さんが大山の打撃についてわかりやすく解説してくれたり、久しぶりにタイガースを満喫。もうタイガースの試合に飢えているんやなあ。
 サン=テグジュペリ/河野万里子・訳「星の王子さま」(新潮文庫)読了。訳者による解釈を差しはさまず、誠実に原文に向き合った訳という感じ。そやからというて、直訳にようある読みにくい文章やなく、非常にこなれた訳で読みやすい。ここまで毎日訳者の思いが勝った訳文ばかり読んできたけれど、ここまで訳者の色を感じさせないものはなかった。そういう意味ではスタンダードな翻訳といえるんやないかな。ここまで6冊続けて読んできた上で、未読の方に薦められるのは本書やないかと思う。そういう意味では内藤訳しかなかった時代、かなり思い入れの強い訳文で誰もが読みはじめていたということになるなあ。もしまだ「星の王子さま」を読んだことがなくて、どの訳から読むのがええか迷っている方がいたら、この河野訳の新潮文庫版からお読みなさいと言いたい。ただ、難点があるとしたら、作者が王子さまやパイロットにこめた寓意を読みとるにはかなりの読解力が必要になるんやないかということ。他の訳者のように「こうだ!」という指針を示してくれはしないからね。そういう意味ではスタンダードではあるけれど、一番不親切な翻訳、なのかもしれん。

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