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星の王子さま(稲垣直樹・訳) [読書全般]

 朝起きても腰の張りは変わらず。動くには動けるから、少しばかり無理をしたら仕事はでけんこともなかろうが、通勤途上で痛みが強くなったりするかもしれんし、ましてや今日は授業でいっぱいの日。途中で動けなくなったりしてもいかん。これは体が私に休めと命令しているんやと思い、休むことにした。電話で自習用にDVDを見せるようにお願いし、手配は万全にして午前中はストレッチなど軽い運動をしたり、録画していた番組を見たりして過ごし、昼食後は午睡。夕刻起きてきたら、腰の痛みはほとんどなくなっていた。そやけど、夜になって冷えて来るとまた痛みだす。風呂に入ってゆっくり温めた方がええのかな。明日もこの調子やと、また休んで医者に診てもらうた方がええかもね。
 サン=テグジュペリ/稲垣直樹・訳「星の王子さま」(平凡社ライブラリー)読了。9日連続で読み続けた最後の一冊。これが思わぬ拾いもの。まるで作者本人が読み手に話しかけているような語り口。言葉のリズムが良いのです。これは河野訳にはない美点。本書を読むと、王子さまはパイロットの宝物であることが他の訳よりも強く伝わってくる。それだけに、王子さまを失った時の喪失感が際立つ。王子さまは内藤訳で読むほど無垢な感じではないし、倉橋訳で読むほどシニカルでもない。9冊読んだうちで、私は本書を一応決定版としておきたい。平凡社ライブラリーという、大きな書店に行かんと並んでへんシリーズ、しかもトールサイズの上にこれはまたハードカバー。決定版としたはいいけれど、おそらく9冊のうちで一番手にしにくいんやないかなあ。手に入れやすくて、名訳といえるのは、やはり岩波文庫の内藤濯訳ということになるんやろう。どの訳者も内藤訳を意識せずにはおられなんだはずやし、いい意味でも悪い意味でも内藤訳の「星の王子さま」が日本語訳の代表であることに間違いはなさそうです。それにしても、いずれは読み比べをしようと買い置きをしていた「星の王子さま」と「ちいさな王子」を、今この時期に読もうと思うたのは、きっと私が本書を必要としている時なんやろう。新型コロナウィルス禍で、学校もばたばたし、どんなに疲弊していても出勤せんならんという立場にいてることのしんどさが、「星の王子さま」を必要としたんかもしれん。おそらく、またいつかこの話を手にとりたくなる時が来るやろうけれど、その時に手に取るのは果たして内藤訳か、稲垣訳か。

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