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ギャンブラーが多すぎる [読書全般]

 愛すれどTigers「V字回復!主力復帰で8連敗から4連勝」を更新しました。

 今日は出勤日。2週間ぶりにお山の学校に行くと、通勤だけでぐったり。どばどば汗をかき、進路指導室のエアコンで冷え、外に出たら少しばかり降った雨のせいでサウナみたいに暑くてまた汗がどばどば。早く秋になって!
 仕事は明後日から本格的に始まる授業の準備が中心。夏休み明けの職員会議も。進路指導室の留守番をしていたら企業が求人票を持ってきたのに対応したりと、夏休み明け初日から気が抜けません。それでも定時に退出。
 今日は妻が日帰り帰省。タイガースの試合もないし、帰路の車中で読みかけていた小説をひたすら読む。ノンストップで読ませる面白さで、妻が帰ってくるまでずっと読書。妻が帰宅して夕食を取り、そから残りを一気に読んでしまう。こういう読書、もしかしたらものすごく久しぶりかも。
 ドナルド・E・ウェストレイク/木村二郎・訳「ギャンブラーが多すぎる」(新潮文庫)読了。原著は1969年に刊行。なんで今ごろ訳出されたかの経緯は不明なれど、久々のウェストレイクの新刊(?)ということで、楽しみにしていたんやけれど、期待は裏切られなんだ。ギャンブル好きのタクシー運転手チェットはノミ屋に頼んだ万馬券が大当たりしたので、金を受け取りに行く。するとそこにはノミ屋の死体が。警察、対立する2つのノミ屋の胴元、さらにはノミ屋の妹アビーまでがチェットを犯人と疑い追いまわす。アビーの誤解が解け、二人で真犯人を探そうとするが、胴元の二大勢力や、正体不明の殺し屋からつけ狙われ、二人は真犯人を探しつつもひたすら逃げ回るはめに……という話。息をつがさぬ逃走劇が読ませどころ。一難去ってまた一難。やっと負傷を癒すために休んでいたら、立て続けに胴元の親分がやってきて、チェットの目の前で鉢合わせと次々に困難が追っかけてくる。そこを二人がどう切り抜けるか、そして消去法で浮かび上がってきた意外な真犯人とは! しばらく翻訳ミステリはクリスティばかり読んでいたので、こういう手に汗にぎりつつ、コミカルなエンターテインメントは逆に新鮮。なんでこれが今まで訳出されてなんだのか、不思議ですね。ハヤカワミステリ文庫も復刊フェアでたまにはウェストレイクあたりをとりあげてもええんやないですか。短編集「ウェストレイクの犯罪学講座」など、復刊する値打ちはあると思うぞ。本格推理物でも本格冒険小説でもハードボイルドでもない、強いていえばエンターテインメントアクションというのか、とにかく読み始めたら止まりません。こういうの、好きですなあ。ドキドキワクワク、そしてちょっぴりロマンスの香りも。それがごった煮にならず手際よくなおかつ怒涛のように押し寄せる。緩急のつけ方もお見事。まさにこれこそ職人技の逸品。

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