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仮面舞踏会 [読書全般]

 今日は夏季休業日。まだ私は盆休みの最中なのです。
 深夜から明け方まで豪雨。日中も曇天と豪雨の繰り返し。夜になったらなったで雷雨。気温はぐっと下がり、冷房をつけたような状態。昨日までの蒸し暑さとはうって変わって寒いくらい。夜は鼻水とくしゃみで苦しむ。ちゃんと鼻炎薬を何種類も服用しているのに、どれも効き目がないとはどういうことですか。
 午前中は録画したアニメと映画のDVDを見てからパソコンに向かい、昼食まで少し読書。昼食後は読書と少しだけ午睡。とにかく涼しいというか寒いくらいなので、読書には最適やったかも。
 夜はBS1でナイター中継を見る。スワローズの村上宗と山田、タイガースの佐藤輝のホームランだけしか得点なし。どちらも連打連打で得点でけへんという現状がはっきりしてる試合やった。大山、中野、早よ帰って来てくれい。近本はまだ少しかかるか。厳しいなあ。で、8連敗。
 試合終了後も読書。
 横溝正史「仮面舞踏会」(角川文庫)読了。立て続けに横溝を読んでたけれど、ちょっと間をあけた。同じ作家ばかり立て続けに読むというのもええけれど、私の場合はいろいろな作家の本を取りまぜた方がええみたい。
 本書は戦後、社会はミステリの台頭でしばらく出版が途切れていた作者が久々に出した長編。本書のあと、角川映画によるブームが巻き起こるまで、また間があくことになる。
 舞台は1960年ごろの軽井沢。鳳千代子という銀幕の大スターは、結婚と離婚を繰り返す。最初の夫がプールで変死体となって発見され、さらには3番目の夫が青酸カリによって毒殺され、4番目の夫は行方不明。5番目の夫となろうとしている財界の重鎮は金田一耕助に謎の解明を依頼する。登場人物が多く出てきて、それぞれに関係があり、その人間関係のからみ方で読み手を惑わせる。高度経済成長期を舞台にしているけれど、作者らしく旧華族の血統や戦時中の混乱などが事件にからんでくる。トリックなどよりも、登場人物それぞれの背景が主題になるあたりが作者の真骨頂。ただ、やはり時代は松本清張を中心とした社会派ミステリなのに、どうしても呪われた人間関係が中心になってしもうているあたり、作者は苦しみながら書いたんやなかろうか。死後、創作メモや草稿が発見されて話題を呼んだけれど、その苦心ぶりが残されているという。その分、細かいところまで書きこまれ、非常に読みごたえのある作品になっている。全盛期の猟奇的趣味や、人目を引く死体などがない分、地味な印象は免れんけれどね。まさか本作を書いてから10年以上もたって日本中を巻き込む大ブームが起こるとは、横溝先生、多分予想もしてなんだやろうなあ。

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