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パーカー・パインの事件簿 [読書全般]

 愛すれどTigers「主力が離脱し打線停滞で6連敗」を更新しました。

 今日は夏季特別休業。つまり盆休み。先週火曜からずっと出勤してへんけれど、実はまだ盆休みは取ってなかったのです。定休日を除き、出勤日には人間ドックや祝日が重なり、出勤日がうまいことなくなっていたというわけ。
 というわけで、例によって朝からアニメを見たり、映画のブルーレイをちょっとだけ見たり、パソコンに向かうたりして午前中を過ごす。昼食後、少し読書をしてから午睡。夕刻起きて読書の続き。今日はプロ野球中継もないので、夕食までずっと読書。食後も読書。もっとも蒸し暑くて外に出る気も起こらんし、用事もないし。
 アガサ・クリスティ/山田順子・訳「パーカー・パインの事件簿」(創元推理文庫)読了。ここに来てクリスティに目覚めた、というわけではないけれど、ちょっとまとめて読んでみようかな、という感じですね。本書は昨年出た新訳版。ハヤカワ文庫版では他の短編集に収録されている「パーカー・パイン」2編も収録した“完全版”。つまりハヤカワ文庫で既発の「パーカー・パイン登場」は原著通り12編しか収録されてへんけれど、本書なら14編全て読めますよ、というのが売りなんですね。クリスティはかなりハヤカワ文庫が版権独占してるから、新訳できるものはちょっとでもお得感を出さんと営業面で不利やもんね。
 パーカー・パインは新聞広告で「幸福でない方はご相談ください」と宣伝する事務所の所長。もちこまれた不幸を、スタッフを使うてあの手この手で幸福にしようという、一風変わった趣向のシリーズ。ひねりが効いていて、楽しめる。特にこのシリーズを書くきっかけになったという「大富豪夫人の事件」は、金も暇もあり過ぎてどうすればよいかわからんという贅沢な相談主に驚くべき仕掛けで幸福感を味わわせるというもので、これが秀逸。ウソの不幸を持ちこんだ相談主には逆手にとってたくらみを失敗させたりもする。後半はパインが中東に旅行に行き、その先で起こった事件や相談に対処するというもので、せっかくの「幸福相談」という設定を使うてへんのが残念。パインでなくてもええやん、という事件もあり、解説を読むとポアロものとして書かれたけれど、発表時や単行本収録時にパインに変えたものもあるとか。
 とはいえ、どの短編もわさびがよく効いていて、ミス・マープルとはまた違う“黒いクリスティ”を堪能できました。

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