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おばちゃんたちのいるところ [読書全般]

 今日は「たちよみの会」例会。山ほどある土曜深夜のアニメは先に見ておきたいものだけ選んで見、「仮面ライダーリバイス」「ドンブラザーズ」も高校野球中継で飛んでいた分も放送されたんやけれど、1週分だけ見、少しだけパソコンに向かい、11時頃に出かける。
 今月は「フランソア喫茶室」はかなりすいていて、もう少し長居してもよかったかなというくらい。古参会員Y氏とあれこれ情報交換。私と妻に本をくれる。予定通り早目に店を出たら、外は本降り。折り畳み傘を持っていっていてよかった。なるべく雨がかからんように河原町通りのアーケード下を通って「丸善」へ。新書と文庫を数冊買う。ビルから出たら雨はやみ、雲の切れ目から日がさしていた。
 話し足りんというわけで、「上島珈琲」でしばらく雑談してから、散会。
 帰宅後、録画していたデーゲーム中継を見る。東京ドームはデーゲームかナイターか区別がつかん。6時ごろから見始めたので、まるでナイターをリアルタイムで見ているような感覚。BS日テレのサブチャンネルの録画なんで、試合終了までしっかりと録画されていた。試合はジャイアンツに3連勝。タイガースが強さを取り戻したんか、単にジャイアンツが弱いんか。ひとつだけ言えることは、ジャイアンツ打線は走者を進塁させたり、投手を攪乱したりということを一切やらんということ。タイガースがとにかく隙あらば盗塁したり中野や島田がセーフティバントをしてみたりヒットエンドランを仕掛けてみたりとあの手この手で相手投手を攻略しようとするのを見慣れているから、ジャイアンツの打者が漫然と打席に立って好き勝手に打っているようにしか見えんのです。以前は原監督は四番打者に送りバントを命じたりしていたのに、そういうことは一切しないようになった。なんでやろ。
 試合終了後、社説のダウンロードや読書。さて、明日からいよいよ出勤。明日は会議だけの予定なんで、リハビリみたいな感じかな。
 松田青子「おばちゃんたちのいるところ」(中公文庫)読了。「世界幻想文学大賞短編部門受賞」作品。でも、内容はというと、幽霊と人間が同居する日常を当たり前のように淡々と語ったもの。一応独立した短編集なんやけれど、ところどころ、他の話に出てきた人がちらりと登場したりしていて、全体を読めばなんとなくつながっている連作のようにも読める。非常に不思議な感覚の作品なんやけれど、登場人物があまり社会になじめないという点がどの短編でも貫かれている。それでも、この社会から完全に逃避しているわけではなく、それなりに接点を持ち、折り合いをつけている。さらに興味深いのは、それぞれの短編が落語や歌舞伎などを下敷きにしているということ。ただし、それは題材の一部を借りたりしているだけなんで、元ネタを知らんでも十分に楽しめる。巻末にそれぞれの元ネタを書いてあるけれど、「そう言われたら、そうか」という程度。逆に解説者が元ネタを知らんみたいなのも面白い。落語の「皿屋敷」が元ネタになっているのに、怪談の「番町皿屋敷」と誤解してるみたいなことを書いていて思わずにやり。らくごの「皿屋敷」を下敷きにしてるから、お菊さんが皿を10枚まで数えても何も悲劇的なことは起こらないのですよ。とまあ、解説にまで突っ込みをいれられるお得感がある。ほんまか。作者は兵庫県生まれで、姫路城が舞台になった話もあったりしている。関西人やないとわからん笑いのニュアンスみたいなものが全体に流れているようにも感じられた。多少読み手を選ぶ本かもしれんけれど、私はとても楽しく読みました。そやからというて癒されたりとかいう次元の安っぽさがないのがええなあ。

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