SSブログ

いろもの [演芸]

 AKB48の「総選挙」で指原嬢が1位になった。秋元康の手に乗るのはあまり嬉しくもないのと、現在の私の関心はアイドルにはないのとで(30年前は「アイドル愛好家」を名乗っていた時期もあったのですが、河合奈保子様が引退してからはすとんと興味がなくなった)、まあ騒ぎたい方はどうぞという感じですかな。騒ぎたい人の気持ちはわかるからね。私も25年前なら大騒ぎし、指原嬢のトップ当選の理由を分析などしてたでありましょう。
 で、スポーツ紙を読んでたりしていたら、指原嬢はAKB48の「いろもの」なんだという記述に引っかかった。
 色物というのは東京の寄席で、落語家以外の芸人のことをさす。表の出番表(木に掘られたものが並べられている)で、落語家の名前は黒い文字、それ以外の漫才漫談奇術諸芸の人たちの名前は赤い文字で書かれているから、色物というそうな。
 大阪の演芸場やと、漫才が中心なんで、そういう区別は基本的にはない。そやから「色物」という時のニュアンスはちょっとわからんところがある。ただ、格上の落語が格下の緒芸を見下しているみたいな感じで、あまり好きな言葉やないです。
 指原嬢が「いろもの」と書かれる時、おそらくはからかいの意味がこめられた、すなわちAKB48においては添え物的な存在であるというニュアンスがあるように感じられる。それが好かん。ほんまもんの芸人さんは「色物」でもそれはもうとんでもない芸を持ってはるのでありまして、例えば太田家元九郎さんみたいに本格的な津軽三味線の演奏をしながら笑わせてくれるとか、東京の寄席で初めて聞いた時には驚き、大阪のテレビ「平成紅梅亭」の公開録画でもう一度見られた時は嬉しかった。色物には色物の芸がある。
 そやから指原嬢をさして「いろもの」などと書くのは、ほんまもんの色物芸人さんに失礼やないか。指原嬢がどれだけの「芸」をお持ちか知りません。そやけど、寄席で落語に伍して披露できるだけの芸ではなかろうというのは推察できる。
 どうせ秋元康が広めた呼び方やないかと思う。かつて彼はおニャン子クラブでも「ニャンギラス」というユニットで遊んだことがあったもんなあ。彼の「笑い」は浅薄でつまらないことが多い(とんねるず売り出しの時にそのセンスのなさにあきれたことを思い出した)。
 というわけで、どうでもええことかもしれんけれど、演芸ファンとしては「いろもの」という表記にはかなり敏感に反応してしまうのでありました。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:芸能