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ザ・チェーン 連鎖誘拐 [読書全般]

 大相撲小言場所「令和二年春場所展望~コロナウィルス禍で無観客場所~」 を更新しました。

 今日は完全休養日。朝もいつもよりゆっくり目に起き、午前中のアニメもそれほど数は見られず。昼前にパソコンに向かい、ちょっと書きもの。昼食後、午睡。夕刻起きてからもパソコンに向かう。病院で父を看取り、通夜、告別式と続いたので、毎日やっていることが少しばかり滞っていたのです。他には旦那寺に連絡を取り、二七日から四十九日までの法要の日程について相談をしたり。葬儀関係では今日は私はそれだけしかしてません。日常生活に戻るために、なんとかいつもの休日のルーティンを行おうとしていた感じかな。
 でも、明日は実家に行って妹たちと今後のことについての相談。まだまだやらんならんことは山積しているのです。

 エイドリアン・マッキンティ/鈴木恵・訳「ザ・チェーン 連鎖誘拐 上・下」(ハヤカワミステリ文庫)読了。シングルマザーで乳癌の手術から復帰したばかりのレイチェル。娘のカイリーが誘拐された。誘拐犯の要求は身代金と他の子どもをターゲットにして誘拐し、身代金を要求すること。レイチェルは別れた夫の兄ピートに協力してもらい、自分の娘を取り戻すために他人の子どもを誘拐することになる。この誘拐の連鎖システム「ザ・チェーン」の巧妙なことが見どころ。被害者が今度は加害者になるという矛盾。人はどこまで残酷になれるものなのか。第一部ではカイリーが無事に戻ってきて、自分が誘拐した子どもを解放するまでを描く。そして第二部、PTSDに苦しむカイリーの姿、あるいは自分自身にも襲う精神的なダメージを回復するため、レイチェルは「ザ・チェーン」を考案した真犯人を探し出そうとする。完璧なシステムと思われた「ザ・チェーン」も、真犯人の油断からついに崩されていくことになるわけだが、サイコパスである真犯人の成長過程などがおりこまれ、人物像を掘り下げている。好みは分かれるところだろうが、私には第一部の緊迫感と人の悲しい業を描いた部分のインパクトが強く、第二部で真犯人を探し求める描写がいささか弱く感じられた。それでも「ザ・チェーン」という誘拐システムを考案した段階でこの作品は大成功やったと思うし、真犯人の実像も現代アメリカの病理をえぐり出すという点では非常に興味深かった。もっとも作者はイギリス人なんで、アメリカに対する偏見も多少は混じっているのかもしれないけれど。とにかく誘拐ものとしては出色の作品。非常に面白かった。

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