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横山アキラの死 [追悼]

 今日は考査2日目。興行でいうと中日。テスト監督は1時間のみ。でも、疲れが腰にきて、今日もコルセットのお世話に。帰ってから外すと張りは治まってるのになあ。午後は来週金曜には府教委に提出せんならん書類の作成。校内サーバに保管されているファイルのあちこちを開き、なんとかとりあえず作成。管理職のチェックを受けてOKが出たら、提出していただくことになる。まあ、1週間あれば間に合うでしょう。ほんまは明日の午後からの代休をこの午後に取りたかったけれど、そんなことをしていたら締め切り間際になってしまうので、代休は来週にとることにする。
 定時に退出し、帰宅してから少しスマホをいじって遊んだりする。夕食後は新しいホームページのサーバにトップページをアップしてみる。少しずつファイルをアップしていって、動作確認は年内にすませたい。
 日記を書いていたら、妻がネットニュースで見たと、音曲漫才の横山ホットブラザーズの長男、横山アキラさんの訃報 を教えてくれた。享年88。闘病中やったと報じられている。
 コミックバンド、というのとまた違うのですね。あくまで漫才師。ホットブラザーズは活動写真の楽師などをしていた横山東六さんが、芸人に転向して作った「トーロクショー」を母体に、最初は東六さん夫妻と長男のアキラさん、次男のマコトさん、そしてお弟子さんなどとやっていたけれど、末子のセツオさんが加入した時に父と三兄弟というメンバー構成になったという。東六さんが生きていた時は三兄弟が歌いながら漫才を進めているところへ東六さんが乱入してきて珍楽器で演奏をしてかき回し、「おじゃましましたーっ」と言うてはけて行くというパターンがほとんどやった。私が幼い頃に見ていたのはそれ。DVD化されているネタは米朝師の「和朗亭」での高座で、一度に何種類もの楽器を弾いてみたり、たて笛を吹きながらその笛の上で皿まわしをしてみたり、というもの。お得意のヴァイオリンネタやホースを横笛にした演奏なども収録されている。私が個人的に録画した「お笑いネットワーク」の映像ではヴァイオリンネタからゴリラダンスに移るネタをしている。
 東六さんの死後は三兄弟でいろんな音曲漫才を披露してはった。ギターを叩きながら顔をくしゃくしゃにして歌うというのがアキラさんの得意ネタで、古い「萬歳」の戯れ歌を現代風に復活させていたこともあったし、なによりノコギリ演奏が十八番。もともとそういうジャンルの音楽はあったけれど、アキラさんが「おまえはあほか」と毎度鳴らしてみせて、それで多くの人に知られるようになったんやないかと思う。まず「おまえはあほか」と鳴らさんと、お客も承知してくれなんだんやないか。
 とにかくひたすら明るく楽しく、にぎやかな舞台やった。東六さんのころから、ようこんなアイデアがでるなあと思えるくらい、笑いと音楽を徹底させていて、こういう漫才はもうおそらくホットブラザーズが最後なんやないやろうか。
 最近は「音ネタ」で出てくる芸人さんも少しずつ増えてきたし、誰かまたホットブラザーズの芸を新しいものにアレンジしてつないでいってくれへんかと期待してはいるんですけどね。
 でもほんまに楽しい芸風やったなあ。私、大好きやった。前任校で生徒にビデオを見せたら、「これ、漫才ですか?」と聞かれた。漫才です。昔は漫才の幅というのはものすごく広かったんです。今の子はそういう意味では漫才とコントとものまねくらいしか芸というものを知らんのかもしれんなあ。それはそれで寂しいことです。
 謹んで哀悼の意を表します。

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歴史は不運の繰り返し [SF]

 本日もコルセットをして出勤。昨日の晩は大丈夫かと思うていたけれど、朝起きるとやっぱり張りが出るんですなあ。
 今日から定期考査。もっとも妖精さんのおかげでしばらく休校した関係で、土曜までの3日間と凝縮してます。予定では5日間やったんやけれども。
 そういうこともあり、試験監督も毎日つまってまして、今日は朝から2時間連続。午後からは事務作業。定時に退散。
 帰宅して読書。読みかけの一冊をついに読了。夕食後は妻と「アルプスの少女ハイジ」を見たりして過ごす。癒されるなあ。乾いた心に慈雨がしみこむ。
 ホームページのサーバからこれまでアップロードしていたファイルを一気にダウンロードする。これでたぶん全部やと思うけれど。明日以降、新たに登録したサーバにアップロードしてみて試してみよう。まあまだしばらくは現在のso-netのアドレスを続行。年明けと同時に移行、くらいの予定。不具合などないか確認してからにしたいしね。
 ジョディ・テイラー/田辺千幸・訳「歴史は不運の繰り返し セント・メアリー歴史学研究所報告」(ハヤカワ文庫SF)読了。タイムトラベルものは好きなのです。特にパラドックスに関する処理をどうするか、そこらあたりが見もの。この作品は、なんと歴史家がタイムマシンに乗って実際の歴史を研究する研究所が舞台。そやけど歴史に介入でけんようにいろいろと制約もあるし、過去に行くために所員は厳しい訓練をせんならんし。主人公はマックスウェルという女性歴史家。これが行く先々で大変な目にあい、挙句の果てに研究所から追放されてしまう。そこからマックスの大反撃が始まるけれど、これもまた思うようにはなかなかいかん。物語は時間旅行そのものよりも、主人公と組織、人間関係に関するトラブルが主体になっていて、ちょっと思うてたんと違うた。ただ、タイトルにもあるように「不運の繰り返し」にあいながらもめげない主人公の奮闘ぶりはおおいに楽しめた。歴史改変とかパラドックスの処理などに期待している人は肩透かしを食らうかもしれんけれど、ひょんなことからパラドックスが回避されたりして、そこらあたりのアイデアはなかなかおもしろいし、ラストに向けて一気になだれこんでいく筆致にはひきこまれた。本書が好評でシリーズ化されたというから、続編が訳出されることを期待したい。まだまだ主人公マックスのど根性につき合うてみたいのです。

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合同トライアウトの意味 [プロ野球]

 今日もコルセットのお世話になりつつ出勤。コルセットを腰に巻くことばかり考えていてハンカチをポケットに入れるのを忘れる。何か一つ忘れるという癖はまだ続いているということですか。そういえばマスクを忘れかけて妻にとりに行ってもろうたなんてこともあった。
 今日は試験前最後の授業日。1年生の社会は試験勉強の自習にあてた。熱心な生徒とそうでない生徒が二極化していて、熱心な生徒はもう一枚新しいプリントがほしいとやってきたりする。試験勉強用に使うというてね。こういう生徒は大事にしたい。お山の学校はどうしても熱心やない生徒さんの方が目立ち、そっちに手をかけるあまり、自主的に学ぶ生徒はほったらかしになりがちなのです。
 午後からは保健部の会議。そのあとは事務作業を少しばかりして、定時に退散。帰宅して、読書。車中で読んでいた本が佳境に入り、続きを読みたくてうずうずしていたのです。こういう感覚は以前は当たり前やったのに、新型コロナ以降疲弊してしまい、途絶えていた。「星の王子さま」連日読破のおかげで読書ペースが作れるようになったかな。
 夕食後は続きを読んでたらだんだん疲れてきて一休み。パソコンに向かい、あれこれと作業。プロバイダがホームページのサービスを来月末で閉じるというので、レンタルサーバを探したりしています。ブログのアドレスはそのままやけれど、ホームページはアドレスが変わることになるので、またこの日記でも切り替えたら告知します。今は現在のプロバイダのサーバから過去の記事をダウンロードしている。結構な量があるので、1日では無理ですね。ま、毎日コツコツやるか。
 タイガースから戦力外通告を受けて合同トライアウトに参加しなかった能見投手はバファローズ移籍が決まった。福留外野手も古巣のドラゴンズに戻りそう。タイガースはホークスの加治屋投手とドラゴンズの鈴木投手との契約を発表。この二人もトライアウト前からタイガースが狙うてるという記事がスポーツ紙に載っていて、合同トライアウトには参加せず、既報通り契約。なんというのか、もう事前に話がついていた選手は余裕で発表を待っていて、合同トライアウトに参加した選手は一縷の望みをそのプレーにかけてその後は今か今かと電話を待っているんやね。何のための合同トライアウトかわからんようになってきたなあ。それでもあきらめられん選手は独立リーグに移って次のチャンスを待つというわけか。結果を出さんとあかん勝負の世界の厳しさとはいえ、合同トライアウトが戦力発掘の場になっておらず、年末の「プロ野球 戦力外通告の男たち」のネタになるだけなんやったら、そんな形骸化したもんはやめたれや、とも思う。今年はあの新庄剛志が参加して話題になったけれど、さて、50歳近いかつてのスターを獲る球団があるのやら。
 戦力外通告を受けた時点で他のチームが獲得に動いていない選手が現役を続けていく望みは薄い、ということになるな。何のための合同トライアウトなんやら。

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コルセットと音楽の力 [日常生活]

 朝起きたら、肩がぱんぱんに張っていて、腰も比較的痛みはましになっていたけれど、やはり張りがあって動かすと突っ張る感じがする。以前同じような腰痛で医者にかかった時に買うたコルセットがあり、妻が出してきてくれていたので、それを腰に巻き付けて出勤。さすがにこう固めると腰もそれほど痛まず。とりあえず途中の乗り換え駅まで様子を見て、そう痛まんようやったら出勤することにした。
 なんとかもちそうやったので、そのまま出勤。今日は授業の入ってへん日やったので、事務作業と漫研の生徒に頼まれていた部誌の印刷をする。これもいろいろとあってなかなか手をつけられなんだ分。ようやく印刷できたので、やれやれ。明日には生徒に渡すことができるやろう。
 金曜日の帰り際に養護教諭に言いだされた仕事は、昨日休んでいてでけてなんだけれど、なんとか少しずつ手をつけられる。なにしろ腰が張って素早く動くということが(体も気持ちも)でけん。それやのに同じ養護教諭からまだ出けてへんのかというような質問をされて困る。昨日休んでいたことなんかなかったかのような口ぶりに唖然呆然。腰痛の苦しさは、わかってもらわれへんのかなあ。あんたそれでも養護教諭、とは口にはせなんだけどね。
 ああ、懐かしのぼっち部屋よ! 名曲喫茶のごとく美しき調べを常に耳にしながら働いていた日々が、無性に懐かしい。たった4年だけのことなんやけれどね。あれで一人部屋にこもっていてもストレスはかなり軽減されていたと思うぞ。音楽の力というのはすごいもんなんやなあと、シベリウスの交響曲第1番を聞きながら、この日記を書いております。指揮はオスモ・ヴァンスカ、演奏はミネソタ管弦楽団。
 帰宅してコルセットを外したら、まだ腰の張りは残っているけれど、かなりましになっている。やはりよく歩き、体を動かさんとあかんということですな。

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星の王子さま(稲垣直樹・訳) [読書全般]

 朝起きても腰の張りは変わらず。動くには動けるから、少しばかり無理をしたら仕事はでけんこともなかろうが、通勤途上で痛みが強くなったりするかもしれんし、ましてや今日は授業でいっぱいの日。途中で動けなくなったりしてもいかん。これは体が私に休めと命令しているんやと思い、休むことにした。電話で自習用にDVDを見せるようにお願いし、手配は万全にして午前中はストレッチなど軽い運動をしたり、録画していた番組を見たりして過ごし、昼食後は午睡。夕刻起きてきたら、腰の痛みはほとんどなくなっていた。そやけど、夜になって冷えて来るとまた痛みだす。風呂に入ってゆっくり温めた方がええのかな。明日もこの調子やと、また休んで医者に診てもらうた方がええかもね。
 サン=テグジュペリ/稲垣直樹・訳「星の王子さま」(平凡社ライブラリー)読了。9日連続で読み続けた最後の一冊。これが思わぬ拾いもの。まるで作者本人が読み手に話しかけているような語り口。言葉のリズムが良いのです。これは河野訳にはない美点。本書を読むと、王子さまはパイロットの宝物であることが他の訳よりも強く伝わってくる。それだけに、王子さまを失った時の喪失感が際立つ。王子さまは内藤訳で読むほど無垢な感じではないし、倉橋訳で読むほどシニカルでもない。9冊読んだうちで、私は本書を一応決定版としておきたい。平凡社ライブラリーという、大きな書店に行かんと並んでへんシリーズ、しかもトールサイズの上にこれはまたハードカバー。決定版としたはいいけれど、おそらく9冊のうちで一番手にしにくいんやないかなあ。手に入れやすくて、名訳といえるのは、やはり岩波文庫の内藤濯訳ということになるんやろう。どの訳者も内藤訳を意識せずにはおられなんだはずやし、いい意味でも悪い意味でも内藤訳の「星の王子さま」が日本語訳の代表であることに間違いはなさそうです。それにしても、いずれは読み比べをしようと買い置きをしていた「星の王子さま」と「ちいさな王子」を、今この時期に読もうと思うたのは、きっと私が本書を必要としている時なんやろう。新型コロナウィルス禍で、学校もばたばたし、どんなに疲弊していても出勤せんならんという立場にいてることのしんどさが、「星の王子さま」を必要としたんかもしれん。おそらく、またいつかこの話を手にとりたくなる時が来るやろうけれど、その時に手に取るのは果たして内藤訳か、稲垣訳か。

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星の王子さま(谷川かおる・訳) [読書全般]

 今日も完全休養日。朝はテレビ漬け。昼食後、一幅つけにベランダに出、椅子に座ってスマホをいじりながら灰皿がわりの缶に手をのばしたら、腰に痛みが走った。やったかな? と思い、ゆっくりと立ってみる。背筋をのばすと痛みはない。二三歩歩いてみたけど痛みはない。もう一度椅子に腰かけようとしたら、痛い。動かす時に痛む。
 これは経験したことのある痛みやね。肩こりや背中の張りがきつくなった時に、腰までくるやつ。コルセットをしてたら動いても痛まんやつ。
 とりあえず午睡し、起きてからどうなるか確かめる。やはり痛い。夕食前、妻に背中を押してもらう。少しはほぐれたけれど、まだ動く時には痛みが残っている。本を読みながら肩こり体操などをしてみる。明朝どうなるか。痛みがひどくなってたら、仕事を休んでマッサージでもしてもらうか。
 サン=テグジュペリ/谷川かおる・訳「星の王子さま」(ポプラポケット文庫)読了。内藤訳以外は大人向けに訳されたものをずっと読んできたけれど、ここで児童書の訳に立ち返って見ることにした。訳者は深大寺かおる名義で「キャット・ギャラリー 猫の贈り物」なる著書もある方やそうです。内藤訳のいささか古めかしい言い回しや、癖のあるセリフなどを洗い直して、現代の子どもにもわかりやすく読めるようにした、という印象。基本的には内藤訳と王子さまやパイロット、キツネやヘビたちの性格づけなどは変えていない。そういう意味では新しい発見はないものの、児童書としては非常にていねいで読みやすい訳になっていると思う。書店で岩波少年文庫版がなくて、本書があったとしても、安心してお薦めできる。子どものころに初めて出会う「星の王子さま」としてはむしろ癖のある内藤訳よりもええかもしれんね。管訳の「角川つばさ文庫」と並んでいたら、迷わずこちらを買うべきですね。なにしろ管訳は「ちび王子」やからなあ。さて、毎日読み続けてきた「星の王子さま」翻訳比べも明日で終了。今後も新訳は出るかもしれんけれど、この日記で御紹介したものが基本的にはずっと残っていくことになるんやろうと思う。

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星の王子さま(小島俊明・訳 ) [読書全般]

 今日は完全休養日。来週は土曜出勤なんで、2連休は貴重なのです。しんぞう前総理の何の根拠もないパフォーマンスで行われた全国一斉休校のせいで、ほんまに生徒にコロナ感染者が出るようになってからそのしわ寄せが来ている。
 朝からアニメ漬け。ただ、やはり疲れているからたてつづけに見るとしんどい。休み休みだらだらと見て、疲れて一度デッキのスイッチを切ると、睡魔に襲われうたた寝。これはいかんと昼食をとり、少しネットで遊び、午睡。たっぷりと寝る。寝だめというもんはでけへんらしいけれど、寝不足解消、疲労回復は必要です。正直、1週間まとめて休みたいくらい。新型コロナウィルスに感染したらそれくらい休めるかわりに、さらに強い倦怠感などの後遺症が残ったりするらしいから、それだけは願い下げですが。しばらくスマホで遊び、夕食後は読書。明日もこんな感じになるのかな。
 サンテグジュペリ/小島俊明・訳「星の王子さま」(中公文庫)毎日毎日同じ本ばかり読んでるように思うでしょうが、訳によっては全く別な物語を読んでいるような気分にさせるのが、面白いところ。それだけもとの話が優れているということなのかもしれん。ところが、今日読んだ中公文庫版は違うた。文章がすっと頭に流れこんでこない。「です・ます」文体なのに、文章全体が硬い。言いまわしが内藤訳以上に古風で、難しい言葉をあえて使用しているのかと思われる部分もある。訳文としては、正確さを重視しているんやろうと思う。訳者は「星の王子さまのプレゼント」という著書もあるくらいこの作品のことを好きなんやろうけれど、仏文教科書の訳本みたいな感じになっているのはなんでやろう。内藤訳を意識し過ぎているのかな。カバー袖の紹介を見ると、詩人で仏文学者とあるけれど、詩的な響きが私には感じられなんだ。読んでいて、他の訳やとどこかで胸にぐっとくるところがあるのに(それは訳によって違う)、この訳ではそういうこともなかった。おそらく私とこの訳文の相性があまりよくなかったというところなんやろう。行間に隠された作者のメッセージを訳によって浮かび上がらせようというスタイルでも、自分が受けた感動を読み手に伝えようというスタイルでもない。書かれている文章を正確に日本語に移し換えようという、そんな感じがする。そういう意味では河野訳以上に読解力を必要とする訳文かもしれんね。むろん、翻訳としてこれは間違いやないと思う。ただそのスタイルが「星の王子さま」という作品に合うているかどうか、そこは読み手によって意見の分かれるところなんと違うかな。

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星の王子さま(河野万里子・訳) [読書全般]

 今日は授業がつまっている上に、空き時間に自習監督が入り、別の空き時間には現在の奨学金担当者から相談を持ちかけられて昨年まではどうしていたかレクチャーしたり、放課後は30分ほどかけて加湿器に水が入ったままのタンクをチェックして、すべてを空にする作業をしたり、もうへとへと。さあ、定時に帰るぞと支度をしはじめていたら、養護教諭がいきなり朝イチに持ちかけてくるような仕事の話をしだして、どうしようもないので週明けにすると言い置いて、退散。心身ともに疲弊しているところに準備も何もしてへん仕事をやりはじめてもろくな結果にはならんということは経験上ようわかっている。まずは土日でリフレッシュすることが第一。
 帰宅して、読書をしたり妻と話をしたり。夜はサンテレビ「熱血!タイガース党」を見る。ゲストは大山内野手。レギュラーの濱中治さんが大山の打撃についてわかりやすく解説してくれたり、久しぶりにタイガースを満喫。もうタイガースの試合に飢えているんやなあ。
 サン=テグジュペリ/河野万里子・訳「星の王子さま」(新潮文庫)読了。訳者による解釈を差しはさまず、誠実に原文に向き合った訳という感じ。そやからというて、直訳にようある読みにくい文章やなく、非常にこなれた訳で読みやすい。ここまで毎日訳者の思いが勝った訳文ばかり読んできたけれど、ここまで訳者の色を感じさせないものはなかった。そういう意味ではスタンダードな翻訳といえるんやないかな。ここまで6冊続けて読んできた上で、未読の方に薦められるのは本書やないかと思う。そういう意味では内藤訳しかなかった時代、かなり思い入れの強い訳文で誰もが読みはじめていたということになるなあ。もしまだ「星の王子さま」を読んだことがなくて、どの訳から読むのがええか迷っている方がいたら、この河野訳の新潮文庫版からお読みなさいと言いたい。ただ、難点があるとしたら、作者が王子さまやパイロットにこめた寓意を読みとるにはかなりの読解力が必要になるんやないかということ。他の訳者のように「こうだ!」という指針を示してくれはしないからね。そういう意味ではスタンダードではあるけれど、一番不親切な翻訳、なのかもしれん。

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ちいさな王子(野崎歓・訳) [読書全般]

 本日より授業再開。朝から体が重く、どうせ最初から今日の授業は考査前自習の予定なんやから、休んでしもうたろうかと思いつつも、出勤。案の定、授業時間以外は睡魔との闘いをしていたり、仕事は遅々として進まず。それでも懸案事項を一つは片づけたのでよしとしましょう。定時に退散。
 今日は妻が日帰り帰省をしていたので、帰宅して読書しながら待つ。夕飯を買うて帰ってきてくれて、サラダ巻き、稲荷寿司と総菜のセットをいただく。夕食後、上方落語でいうところの「腹の皮が突っ張ったら目の皮がたるむ」で、少し居眠り。なんか効率のよくない一日を過ごしてしもうた。
 サン=テグジュペリ/野崎歓・訳「ちいさな王子」(光文社古典新訳文庫)読了。古典新訳文庫で仏文学を多く訳している訳者による「星の王子さま」。あえて原題の「プチ・プランス」をそのまま「ちいさな王子」と直訳したのは、あとがきによると「プチ」という言葉のもつニュアンスが「星の王子さま」では伝わらないという理由かららしい。まあ、古典新訳文庫やから許される邦題ですね。もし管訳が古典新訳文庫で出ていたら「ちび王子」と題されていたかもしれんな。本書の特徴は、パイロットが読者に語りかけるという視点で訳されているということ。ちいさな王子との出会いと別れを誰かに伝えずにはいられないという思いが、この奇跡的な一冊を生み出したといわんばかりの訳なのですね。そやから、例えば倉橋訳のように実は王子さまは幻想でパイロットが砂漠で自問自答しているのかもしれんというような感じには決してならない。王子さまは確かに存在し、パイロットにとってかけがえのない存在となり、そして別れたあとの喪失感の大きさが伝わってくるというように読ませる。もしかしたら、作者は本当にアフリカの砂漠で遭難した時にこんな王子さまと出会うたのかもしれんというような、そんな気持ちにさせる。音読すると最もよい訳かもしれん。語り口が耳に聞こえてくるような、そんな訳文で、これはこれで説得力があるなあ。

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星の王子さま(管啓次郎・訳) [読書全般]

 妖精さんは新たには現れず、みんな隠棲していたので、明日から休校期間が終わり通常授業に戻る。とはいえ学校閉鎖明けなので、まずは健康観察と新型コロナウィルス感染症拡大防止の心得を各教室で行うてもらう。昨日私が作った文書を養護教諭が大幅に改定したものを印刷。午後からの職員会議で配布した。これで収まったらええんやけれど、これで治まったらええんやけれど、妖精さんはおとなしくしてくれへんやろうからな。この冬はこんなんの繰り返しになるかもしれん。生徒のみなさん、マスクはしてよね。
 定時に退散し、帰宅後読書。今週はあと2日。なんとか乗り切ってもらいたいものです。
 サン=テグジュペリ/管啓次郎・訳「星の王子さま」(角川文庫)読了。これはまた個性的な翻訳であります。「王子さま」とか「坊や」なんて言葉は一切出てこない。砂漠に忽然と現れた少年は一貫して「ちび王子」と呼ばれる。「ちいさな王子」ではなく「ちび王子」。そしてこの王子は自分のことを「おれ」と言い、ぞんざいな口のききようをする。フランス語の原文ではどういう雰囲気の言葉づかいをしているのかわからんけれど、この訳者は「王子さま」を好奇心いっぱいのやんちゃな少年としてとらえ、それを示すために「ちび王子」としたんやろう。そうすると、他の登場人物の位置づけも自然と変わってくる。パイロットは「ちび王子」の保護者のような立ち位置になり、キツネは「ちび王子」を教え導く哲学者という感じになっている。内藤訳とは対角線上に位置する異色の「星の王子さま」で、もしかしたら訳者は題名も「ちび王子」にしたかったかもしれんね。でもそれではさすがにセールス上問題があるので、定番である「星の王子さま」で出さざるを得なかったんやろうな。本書は原著通り作者の挿絵を使用しているけれど、子ども向けの「角川つばさ文庫」ではなんと西原恵理子さんを挿絵に起用していて、実は私はそちらも持っていたりする。そやからこの訳で読むのは2度目なんやけれど、内藤訳、池澤訳、倉橋訳と毎日それぞれ独自の視点に立った訳文で読んだあとで読むと、その異色ぶりが際立ってくる。この訳も悪くはないし面白いことこの上ないけれど、たぶん他の方の訳文に親しんだあとで、2冊目か3冊目に読む方がより楽しめるんやないか。まだ「星の王子さま」を読んだことがない方には最初の一冊としてはおまりお薦めしないな、私は。

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