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公民教育 [教育]

 年頭の各紙の社説を読み比べる。18歳選挙権について触れたものが多く、若者の政治無関心について否定的な論説がほとんどであります。
 新聞記者というのは、学生時代から時事問題に関心があったり、政治経済に興味があったりした人がなるもんやから、こういうことが書けるんやろうなあと思う。
 実際に高校生に接していると、必ずしも若者が政治に無関心であることがいかんことやとは思われんのですね。教員が何を言うていると思う方もいてはるやろうけれど。
 要は自分たちにとって何を最重要事項と思うか、ですよ。それは試験勉強やったり、部活やったり、バイトやったり、恋愛やったり、いろいろありますわな。どっちにしても、まだまだ狭い世界に生きている。
 政治にまで手がまわらん、という高校生の方が多いのですよ。そやからとりあえず知識だけでも一度は入れておこうということで、「現代社会」なんていう科目があるわけです。それは現時点で定着しなくても、社会に出てから「そういえば、昔授業でそんなん聞いたことがあるなあ」でええんやないか。
 逆にいうと、若者の政治意識が高すぎるのは、それだけ政治的危機が若者にまで迫っているということで、かえって怖いことやないかという気もするのですね。
 故事成語に「鼓腹撃壌」というのがある。平和で何の問題もない世の中では、為政者が誰かということを知らなくてもすむ、というような故事による。
 高校生が政治のことなど気にせず、勉学や部活に打ち込むことができる。その方がよほどええことやないかと思うのです。どうせ社会に出たら、否応もなく関心をもたずにいられんようになるんやから。今は授業で社会の仕組みについて基本的なことを学ぶ、それで十分やないか。
 いやほんま、今、18歳になった生徒に文科省の配布したテキストを使うて授業しているんやけれど、そんなもんで公民意識が一気に身に着くなんて、それはないですよ、ほんま。

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