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和田誠の死 [追悼]

 超大型の台風が接近中。大阪ではまだ風はそれほど強くないものの、蒸し暑く、ちょっと動くと汗ばむ。6時間目が終わると、文化祭に向けて大掃除。私は社会科教室の清掃監督で、生徒に指示を出したりする。ついでのことなので、仕事部屋のゴミ捨てやら切れた蛍光灯の交換などもしてしまう。ゴミ袋は少しばかりためこんでいたので、ゴミ捨て場まで何往復かする。けっこう疲れました。定時に退散。
 帰路、内科医に行き、鼻ポンプのデータを渡したり、血圧の薬を処方してもろうたりしてから帰宅。帰宅後は追っかけ再生でプロ野球中継を見る。これがあなた、4時間を越す熱戦で、ほんま明日が休みでよかったです。タイガースがなんとか1勝したので、明後日以降もタイガースの試合は続く。また書き物がとどこおるやないですか。いやいや、1日でも長くタイガースの試合を楽しめるんやからありがたく思わんと。
 イラストレーター、絵本作家、映画監督などなど様々な分野で活躍しはった和田誠さんの訃報 に接する。享年83。死因は肺炎。私の子どものころから、似顔絵の両巨頭といえば和田誠さんと山藤章二さんやった。少なく丸い線で的確に特徴をとらえる和田さんと、デフォルメを多用する山藤さんの違いが面白かったけれど、実は若い頃書いたイラストを見ると、お二人ともかなり似た画風であることに驚かされた。というのも、お二人ともベン・シャーンのイラストの影響をもろに受けたはったのですね。和田さんの似顔絵はとにかく可愛らしい。けれど、その人の本質みたいなものがはっきりと出る。そこがすごい。星新一さんや谷川俊太郎さんの絵本の絵も好きやったなあ。私が気にいっているのは谷川俊太郎「これはのみのぴこ」ですね。映画通で、「お楽しみはこれからだ」では映画の名セリフと名場面を文章と絵で紹介したものやったけれど、そういう本を何冊も出せるほどあらゆる映画を見たはったということですね。それが高じて「麻雀放浪記」や「快盗ルビイ」などこれまたいい映画を監督してはる。どちらも好きですねえ。全く違う傾向の映画なんやけれど。「麻雀放浪記」で高品格さんがいかさまをして「ほほっ、また天和(テンホー)だよ」と笑うシーンやとか、印象に残ってるシーンは多い。「快盗ルビイ」はヘンリー・スレッサーの原作をさらに小粋に仕上げていて、ほんまに楽しかった。あのころのキョンキョンが一番輝いていたよねえ。2000回続いたという週刊文春の表紙もよかった。書きだしたらきりがない。平野レミさんが奥さんと知った時はちょっとショックやったかも。あまりのギャップに驚いたのです。
 もうあの丸っこい、でも洗練されたアートを新しく見ることができないかと思うと、ほんまに寂しい。どれだけ年がいっても、衰えるところを知らなんだ。すごいことです。
 謹んで哀悼の意を表します。

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