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体罰事件の落とし所 [教育]

 結局、桜宮高校の入試は体育科の分も「普通科」として処理し、体育科の受験科目と同じ科目で体育科と同じだけの人数を入学させるということになった。なんでも普通科の中に「スポーツコース」を作るということにするんやそうな。
 大阪市長は自画自賛しているけれど、これが彼の「落とし所」やったわけですね。名目上体育科の入試は中止されたし、志望している中学生も受験できる。
 これのどこに意味があるのか、私にはまったく理解でけん。看板を掛け替えただけでしょう。しかも、カリキュラムとしての専門性が薄まってしまい、これまで体育科が蓄積してきたものがどれだけ生かされるのかも不明。
 体罰はいかん、むろん。生徒が自殺したという事実は消し去ることはでけん。
 そやからというて、その他の実績を全否定できるほど、市長はカリキュラムや指導内容に精通していたと言えるのか。
 これが「首長が教育方針を決めることのできる」教育改革というやつなんやろう。思いつき、自己満足、そういうようにとられても仕方のないことを首長の一存で決定できる。そこに実際に教育を受ける生徒たちの意見が取り入れられることがないことはよくわかった。
 彼は自分の教育改革について、「生徒や保護者が教員を評価できる」ということを売り物にしていたはず。今回の場合、生徒たちは体罰の是非とは別に、学校の教育方針に対しては評価をしていたわけです。それに対して聞く耳を持たず、「子どもたちの判断が間違っていたら、それを正すのが大人の役目」と言うて、その教育改革の目玉のひとつを自ら否定した。
 そんなええかげんな改革やったらやめてくれよ。

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京都河原町の書店 [日常生活]

 今日は「たちよみの会」例会。例会には私を含めて3名。新年会は私と最古参の会員Y氏の2名。ちょっと寂しいものになったけれど、Y氏とは25年来の付き合いで、二人でゆっくり呑むのはほんまに久しぶり。一次会だけで帰ろうとする私にY氏は「喜多くん冷たい」とぐずってましたが、明日も仕事はあるし、まあいろいろ早く帰りたい事情があるのよ。来年から新年会は2月にしようかな。
 で、例会のあと、必ず河原町の「ジュンク堂」で本を買うたり新刊の品定めをしたりするんやけれど、なんと「ジュンク堂」の入っているBALビルが改築ということで、来月からしばらく書店も閉店ということになってしまった。来月からは四条河原町角の「ブックファースト」に行くしかない。
 他に本屋がないんであります。河原町通りに面した書店というたら、私の若い頃は「京都書院」「オーム社書店」「駸々堂書店」「萬字堂書店」「そろばん屋書店」「文祥堂書店」「ふたば書房」そして「丸善」と書店のはしごができるほどやったのになあ。今は「ふたば書房」「ジュンク堂」「ブックファースト」のみ。ただし「ふたば書房」はちょっと手狭で長々と入ってられる店やないからなあ。ということは、「ブックファースト」しかないやんか。その「ブックファースト」も河原町の店はそれほど広いということはないしねえ。
 なんでこんなことになったんやろう。京都市内から大学が流出して、学生が少なくなったからか。学生が本そのものを読まなくなったからか。カラオケボックスやらコンビニやら居酒屋はようけあるのにねえ。
 再開発で建て直されたビルにはなかなか新たに書店は入らんし。せめて「ジュンク堂」がどこか近くで仮店舗を構えてくれたらええんやけどなあ。

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大鵬幸喜の死 [追悼]

 戦後を代表する大横綱大鵬幸喜さんの訃報に接する。享年72。
 近年は角界のご意見番という立場で、日刊スポーツの「土評」コーナーでも健筆をふるわれていただけに、突然の訃報に驚いている。最近では自分の所属した二所ノ関部屋消滅の記事にコメントを寄せてはった。1週間ほど前のことやった。まさかそれが引き金になったというわけやなかろうけれど。
 私は現役時代の相撲は幼いころ、貴ノ花に寄り切られて引退を決意した一番をテレビで見た記憶があるだけで、相撲ファンになった時にはすでに親方として新鋭巨砲の指導にあたられていた。
 引退後、大病を患わはって協会の重要な役職につくことはほとんどなかったし、せっかく部屋の後継者として娘婿の貴闘力に大嶽部屋を引き渡したのに、その貴闘力が野球賭博事件で協会から追放されるなど、現役時代の華やかさと比べると心労も多かったと思う。
 それでも大嶽部屋は大竜が継承し、2人のお孫さんは将来力士になるのではとも言われていただけに、その姿を見るのを楽しみにしてはったやろう。
 テレビでいろいろな親方が定年退職をする時に思い出の相撲として大鵬さんに勝った一番をあげはる。今日、テレビでゲスト解説として登場した元横綱三重ノ海の武蔵川親方も大鵬さんに勝った一番をあげてはった。それだけどんな力士にとっても目標となる「負けない横綱」やったということなんやなあ。
 横綱白鵬に対してもいろいろとアドバイスをしてはったようやし、白鵬関もそれをよく吸収していて、伝統の継承という意味では誰よりも心を配ってはったんやないやろうか。それだけに、これからもまだまだ角界に対して苦言を呈する存在でいてほしかった。なにしろ優勝32回、続く千代の富士の九重親方も31回までたどりついたものの追いつくことがでけなんだ。頂点に立った人にしかわからん思いがその苦言には込められていたんやから。そう、「苦言」というのはこういう方から発せられる厳しい言葉のことなんですよ。最近はろくにものを知らん人の文句まで「苦言」と各新聞記者が多いけれど、そう言う記者には大鵬さんのコメントの重さなんかわからんやろうなあ。
 これでまた「昭和」がひとつ遠くなっていく。
 謹んで哀悼の意を表します。

 明日、1月20日(日)は「たちよみの会」例会です。今月は新年会を予定しております。多数のご参加をお待ちしています。

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藤浪と北條にわくわく [プロ野球]

 今日は夜、夕食時に毎週見ているサンテレビ「熱血!タイガース党」を堪能。毎年ドラフト上位指名入団の新人選手をこの時期にゲストとして呼ぶんやけれど、今年は藤浪晋太郎投手と北條史也内野手が出演。今、私が副担任をしている生徒たちと同い年やねんなあ。
 まあ、高校野球のスターやったから取材慣れはしているんやろうけれど、よく考えて言葉を選んでいることがわかる。大言壮語するわけではない。そやからというて自分を卑下し過ぎることもない。
 一流になる選手は、こういうところでどういう姿勢を見せるかで判断がつく。数年前に出演したある高卒ルーキー選手(あえて名を秘す)はまだ自主トレの段階であるというのにスター気取りで、いっしょにゲスト出演していた年上の選手に対しても敬意を表するようなそぶりも見せなんだ。その選手は入団後まだ一度も一軍にはあがってへん。
 藤浪投手も北條選手も自分を客観的に見つめて何をのばすべきかをわかっていた。そしてレギュラー出演者の福本豊さんのアドバイスに対し、福本さんを食い入るように見つめながら、真剣に聞き入っていた。その姿勢やよし!
 彼らは阪神球団がちゃんとどのような選手にしたいかということを明確にして一軍で起用していけば、数年後には球界を代表するスター選手に成長していることやろう。北條選手が機転を利かせて笑いをとったりしているのを見ていたら、早くも頼もしくなってきた。阪神球団、責任は重いぞう。
 番組の最後の方では少しリラックスしてきたか、年相応のあどけなさも見せてくれた。妙に老成し過ぎてないのはええよなあ。
 藤浪くん、北條くん。私はもう数年後の君たちの姿を思い描き、わくわくしておりますぞお。

 1月20日(日)は「たちよみの会」例会です。今月は新年会を予定しております。多数のご参加をお待ちしています。

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地震を体感しなかった世代に [1月17日の記憶]

 今年もまた、この日がめぐってきた。
 神戸での追悼行事が夕刊に大きく取り上げられていた。
 ただ、被害にあったのは神戸と阪神間だけやない。活断層が南北に走る吹田、豊中でも大きな被害にならなかったものの多くの家屋が損傷したり被害者が出た。そのことも忘れたらあかん。
 活断層の上に立っているということは、必ず被害にあうということ。
 埋め立て地に液状化現象が起きたことも忘れたらあかん。
 埋め立て地の上に立っているというだけで、地面の液状化で被害を受けるということ。
 電力会社は専門家が「活断層である」と判断したものに対し、否定をして、その上に立つ原子力発電所を稼働させたがる。
 あの時の揺れの恐ろしさを、一昨年3月11日以降の被害状況を、なんでちゃんと見ようとせんのか。
 そやから、あの時の経験を風化させたらあかん。
 今日は授業で18歳の高校生たちにその時の体験を話した。
 同じ部屋に結婚したばかりの妻といっしょにいたことで、どれだけ救われたか、など、本音を飾らずに伝えた。
 彼らには地震の記憶はない。そやから、その時のことを伝えていかなあかんのや。
 東日本大震災では「日本をひとつに」なんてきれいな言葉が飛び交うている。阪神淡路大震災では、東京のメディアはそんなスローガンはついぞ使わなんだ。完全に他人事やったんやなあ。
 そのことも忘れないでいよう。
 そして、東日本大震災を他人事としてしかとらえられない自分について、そのことをちゃんと自覚し続けておこう。

 1月20日(日)は「たちよみの会」例会です。今月は新年会を予定しております。多数のご参加をお待ちしています。

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ゼロサム市長 [教育]

 体罰というのは、絶対的権力者が逆らえない相手に対して苦痛を強制するということなんよね。
 体罰が問題になった学校に対して、最高権力者たる市長がその権力を使い生徒の募集を中止させたり、その学校の職員を全員異動させたりする。そのことによってその学校や在校生が受けるダメージの大きさは計り知れないものがあるやろう。
 悪しき伝統を断つことが目的やそうやけれど、良き伝統も断ち切られることになるのがわからんか。1年、あるいは2年かけて築いてきた生徒と教師の信頼関係も断ち切られ、問題を抱えている生徒に対して親身になって指導してきたこともすべてが白紙になってしまう。
 さすがゼロサム思考の市長としか言いようがない。大阪市民の一人として言わせてもらうけれど、あなたが言うていることは本質的には体罰となんら変わらんことやねんで。そんなことを言うから「ハシスト」なんて呼ばれるんですわ。
 それにしても、毎度のことながら深く考えんと思いつきでものを言う御仁ですなあ。橋本治さんは、思いつきでものを言う上司に対してどうしたらええか、その著書で書いてはる。
 あきれるしかない、と。
 民間の企業でも不祥事が起きたからというて平社員まで全員配置替えしたりしまへんで。
 いやはやなんとも。こらほんまにあきれるしかないですわ。

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船場人情ドラマを再び [演芸]

 今日は授業で松竹新喜劇「大阪ぎらい物語」を生徒に見せる。藤山寛美十八番のひとつで、船場の老舗のアホボンがのれんにこだわる母親に逆らい、人力車の車夫になり、ついには正論で母親のかたくなな態度をやりこめるという、松竹新喜劇ならではの典型的な人情喜劇であります。正直、この説教臭さは今の若者には退屈なんやないかと思うんやけれど、まず寛美の芝居など今まで見たこともない世代に、こういう喜劇が一世を風靡したんやということを知ってほしいのと、藤山寛美のアホボン芸の凄さを一度でいいから見ておいてほしいという思いで、毎年必ず見せることにしているのです。
 で、生徒たちの反応はそれぞれであるけれど、大阪で「新喜劇」というたら吉本しか知らん世代には存外新鮮に映るらしい。
 驚いたのは、知的障碍生徒の補助で授業に参加している若い女性の先生が(もちろん寛美の芝居を見るのは初めて)、「2か所ほどうるっときました」と素直にこのベタな人情喜劇を受け止めていたこと。
 そういえば、お涙ちょうだいのドラマというたら、不治の病に冒された少女、いじめに耐える少年てなところが昨今のお約束やったりして、体面にとらわれた大人に対して無垢なアホボンが本音をぶつけて難関を突破するなんていうものはないよねえ。
 ということは、例えば花登筺の「あかんたれ」やの「ぬかるみの女」やの「どてらい奴」やのを台本そのままにリメイクしてプライムタイムで放送したら、意外と数字をとるかもしれんぞ。もっとも、現場で企画するテレビ局の人たちが、こういう古い「船場人情ドラマ」そのものを知らんという可能性はあるわけやけれど。
 意外とこれ、いけるかもしれませんぞ。テレビ局関係の方がこんな日記を読んではるかどうかわからんけれど、いっぺんやったみはったらどないでしょうか。

 1月20日(日)は「たちよみの会」例会です。今月は新年会を予定しております。多数のご参加をお待ちしています。

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ドラマ「カラマーゾフの兄弟」開始 [テレビ全般]

 今日は成人の日。正月休みから一週間でまた3連休。仕事のリズムを取り戻すのが難しい。今日は午前中から雨で、日中も寒い。一日とにかく寝る。この3日間は完全に引きこもっていたなあ。東日本は豪雪とか。相撲中継を見はじめたら、両国国技館近辺は雪景色。風も強く、吹雪でありますね。東日本のみなさんに置かれましては、すべって転んで怪我をなさらぬようにお祈りしております。特に明朝、雪が凍ってからの方が怖い。
 というわけで、昨日の夜に撮ったドラマ「カラマーゾフの兄弟」を見る。私はまだ全巻読破できてないので原作との比較をどうこう言えた義理ではないんやけれど、なんかものすごく嫌な気分にさせる演出でありまして、三兄弟の性格づけも原作とは少々違うみたいやなあ。特に末弟はもっと清らかな人格にせねばなるまい。医学生という設定なのは何か意図があるのか。原作では修道生で、それゆえに純粋な魂の持主として描かれていたりなんかするんやけれど、医学生では弱いよなあ。現代の日本を舞台にした形で翻案したからそうしたんやろうけれど、別に神学部に通う学生という形でも不自然ではなかったろうに。
 来週からの展開がどうなるのかわからんけれど、原作の信奉者からはかなり評判はよろしくないのではなかろうか。

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「宇宙兄弟」はSFか [SF]

 まずはお詫びから。
 今朝の朝日新聞朝刊や日刊スポーツを読んだら、大阪市長は「過去の認識を改めた」とはっきり言うた後で体罰事件に関して遺族に陳謝している。テレビのニュースやネットのニュースではそこのところがカットされていたためその部分を確認戦ままに、「反省を表明してから」と書いたことについて、市長に対して失礼なことを書いてしまいました。申し訳ございません。
 それにしても、私もまだまだメディアリテラシーに関しては弱いなあ。過去の言説に対する反省があったことをカットした報道を鵜呑みにしていたんやから。これも反省すべき点でありますね。

 というわけで、本日も完全休養日。朝からゆっくりと寝て、日曜お楽しみの「特命戦隊ゴーバスターズ」「仮面ライダーウィザード」「スマイルプリキュア」「宇宙兄弟」などを見る。「宇宙兄弟」が月面での事故というかなりシビアな展開になっていて、そのリアリティにいつもながら感心する。これはSF……というふうに分類してええんかなあ。近未来を想定して書かれたフィクションではあるけれど、「空想」的な要素は少ない。ミステリが現実に依拠したフィクションであるのと同じく、「宇宙兄弟」も現実の宇宙開発に依拠したフィクションなんやな。
 私が読んできた、楽しんできたSFというものは、科学に依拠しながらもファンタスティックな要素が盛り込まれていて、そこが面白かったわけやけれど、「宇宙兄弟」にはそのファンタジー性が希薄なんですな。
 昔やったらこういう作品もSFとして論じられてきたんやないかと思うけれど、現代においてはこれをこれまで同様にSFとして評価すべきかどうか。そのリアリティの濃さを考えると、今の私には「境界線上」のSFというように思われるんやけれど、如何。

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体罰を肯定した過去は [時事ネタ]

 大相撲小言場所「平成二十五年初場所展望~進退かかる? 日馬富士~」 を更新しました。

 別に文句を言いたいわけではないのですが、大阪市長は体罰の是非について、かつては自分も体罰を是としていたことをちゃんと反省したということを表明してから、今回の体罰が引き起こした高校生の自殺について語るべきやないかと。
 体罰を非とする発言も、過去に自分が著書で書いていたことについて言及しないのであれば、心の底からそういうているのか、とりあえず表向きそう言うているのか、私にはわからん。というか、口だけきれいごとを言うているような印象が消え去らない。
 まあ、市政をほったらかしにして国政選挙で全国を飛び回っていたことについての反省もしてへん方に、それを求めるのは無駄やということはわかってますけどね。
 それにしても私はどれだけこの市長のファンなんやろう。もう書くまいと思うていてもついつい書いてしまう。なんたることか。

追記


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