SSブログ

龍虎の死 [追悼]

 愛すれどTigers「ジャイアンツと逆転合戦」を更新しました。

 今日は昨日までの疲れが午前中はもろに出て、かなりきつかった。休め、と体が訴えかけてきた。昼食をとり、仕事のペースを取り戻すと、午後からはなんとか予定通りに事務作業を進めることができてやれやれ。明日はどうやろうなあ。さあ、残り4連勤。なんとか踏ん張れるか。
 2日前のことやけれど、タレントで大相撲の元小結龍虎さんの訃報に接する。享年73。死因は循環器疾患。
 私はタレントとしての龍虎さんにはあまり興味がなかったけれど、芝居のポスターを見たりした時に、髷のかつらをかぶって着物姿で写っている様子に「さすがは元力士」と感心するくらいたたずまいがほかの役者と違うていたのを思い出したりする。
 力士としての龍虎さんは、晩年の記憶しかない。柏鵬時代、北玉時代の名脇役やったわけやけれど、その時代はまだ小さくてちゃんと相撲を見てなんだのです。
 引退直前くらいに京都巡業でその姿は見たはずやけれど、これもあまり記憶にない。ただ、二度のアキレス腱断裂で幕下に落ちながらも、ついに三役に復帰した昭和50年の初場所の相撲は記憶にある。それよりも印象に残っているのは、引退した場所、旭国に上手ひねりで負けた時に立ち上がれなんだ姿。三度目のアキレス腱断裂に、ついに引退を決意したわけやけれど、旭国が軽くひねっただけやのにもろくも落ちた、その取り組みはテレビで見ていて今も記憶にしっかりと残っている。
 エピソードは北出清五郎さんや初代若乃花の二子山勝治さんの著書でいろいろと知った。二子山親方が花籠部屋から独立する時に、自分も連れて行ってほしいと願い出たが、親方は心を鬼にして「俺は強い奴しか連れて行かないんだ」と断った。龍虎さんはその言葉に発奮して小結まで上がった。突っ張ってはたくパターンの相撲で大鵬に負け続けていたけれど、逆に立ち合い思い切り頭から突っ込んで大鵬を戸惑わせて勝ったこと……。
 美男力士として現役時代から手の合った北の富士さんが葬儀委員長を引き受けたそうや。そう、お二人ともほんまに錦絵にしたいくらい男前やった。
 引退してタレントに転向した力士の中でも特に成功した方やなかったか。荒勢、蔵間といった後輩たちに道をつけたんやないかな。
 それでも、龍虎さんの神髄は、何度も挫折しかけては発奮し、あきらめずに努力したというところにあったと思う。そして、その苦労などなかったように見える華やかさ。江戸っ子力士の美学を貫いたんやと思う。
 謹んで哀悼の意を表します。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ