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李香蘭の死 [追悼]

 愛すれどTigers「失速! ジャイアンツに3連敗!」を更新しました。

 腹具合が悪く、頭痛もする。よって、今日も寝て暮らす。こんなことではいかんのだけれど。明日は新聞休刊日なんで、スポーツ紙の即売版を買いに出かけるとするか。
 元女優李香蘭こと山口淑子さんの訃報に接する。享年94。死因は心不全。
 藤原作弥さんとの共著、「李香蘭・私の生涯」を読んで、なんと数奇な運命をたどってきた人なんやろうと驚いた記憶が大きい。満州映画で中国人女優として売り出され、五族協和のシンボルに仕立て上げられた戦前、漢奸として糾弾されかけた戦後、そして帰国して「山口淑子」として再生し、参議院議員として国政にたずさわる。こんな生き方をした人はまずいないやろう。
 私は「山口淑子」としては議員になってからの印象しかない。「李香蘭」としても映画「エノケンの孫悟空」で森の中で歌う妖精というような役どころで出演していて、なんとも妖艶な空気を醸し出していたことくらいしか印象がない。
 そやけど、戦前戦後を通じてその時代を象徴する存在として生きてきたという、そういう人物がいたことは、例えば若い世代に日本史を教えたりする際に、欠かしてはならんのやないかと思うている。特に満洲国という特異な存在を説明する時には、「李香蘭」の果たした役割というものを知っておくだけで理解の深さも変わるんやないかと思う。
 まさに稀有な人生としか言いようがない。時代がこういう存在を要請したんやろうか。
 謹んで哀悼の意を表します。

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