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不可触領域/軍靴の響き [SF]

 今日は定休日。体調は今ひとつ。体がだるい。昨夜録画したアニメ「魔法使いの嫁」などを見たあと、少し寝てしまう。遅めの昼食をとった後、少し寝ようと思うたけれど、今日はJ:COMの人が点検にくるので、寝てられん。
 午後3時ごろ点検にきて、終了後、なかなか寝られず、読書。読了後、夕刻に寝始め、目覚めたらもう夕食の時間。そこからナイター中継を追っかけ再生で見、タイガースの連勝の喜びに浸る間もなく録画した相撲を見る。照ノ富士が朝乃山を力でねじ伏せ、トップを守る。明日、霧馬山に勝てば優勝というところまで来た。
 それからパソコンを立ち上げて日記を書いて……と、全ての段取りが後手後手に回る日やった。
 半村良「不可触領域/軍靴の響き 半村良“21世紀”セレクション1【陰謀と政治】編」(徳間文庫)読了。1970年代に書かれたにもかかわらず、現代にも通じるテーマの作品をまとめたシリーズの1冊目。絶版になっていた長編2本と、短編2本とエッセイを収録。「不可触領域」はナマケモノの脳波を悪用して地方都市で住民の意志をコントロールしようという実験の顛末を描き、「軍靴の響き」は東西冷戦期に自衛隊を中心としたクーデターが起こり、戦争経験者と、戦争を知らない若者たちの考え方の齟齬を描く。むろん、70年代の世相を反映した作品なんやけれど、扱うているテーマは普遍的なもので、全体主義を志向する政治家たちや、「喉元を過ぎれば熱さを忘れる」国民性に対する警鐘になっている。それだけに、50年ほどたった現在でも色あせてはいない。ただ、大人の世代が戦争を体験しているからこそ、若者との考え方の齟齬が浮き彫りになってしまうという面があるので、若干古びているという感じは残ってしまうけれど。ただ、市政の人々の心理や行動の描写などはさすが作者で、決して頭でっかちになっておらず、リアリティがある。気がついたら“右傾化”している現在、本書を読むと統一教会や日本会議に支配された自民党の政策が、作者の危惧をすでに超えていることに気がつかされる。それだけに、21世紀の現在、これらが復刊される価値は非常に高いと思う。
 ただ、カバーデザインはまるでその危機感を伝えておらず、果たして書影を見て編集者の意図を感じ取れる若い読者がいるかどうかは疑問。こんなパルプ誌みたいな表紙になぜしたのか、デザイナーの意図がまったくつかめないのが残念で仕方ないなあ。

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未来からの脱出 [SF]

 今日は出勤日。空気が乾いていて快適な気候。薄曇りなので出勤時のバス待ちの間もそれほど汗はかかず。授業は3コマで、生徒はちょっとしんどそうやったけれど、割とさくさくと進む。放課後、奨学金がらみで生徒からの相談を受けたりする。定時に退出。
 帰宅して、ナイター中継を見る。今日はABCからサンテレビ・KBS京都のリレーナイター。タイガースがスワローズに圧勝。伊藤将が村上宗を完璧に抑えこむ。昨日の長時間の試合の疲れもあったかバットスイングに切れ味なし。「村神様」も人間です。主砲を封じると勝てるという典型的な試合で、終了後は少し読書……のつもりがちょっと寝てしまう。
 明日も仕事。今週から来週にかけてちょっとばたつきそう。
 小林泰三「未来からの脱出」(角川ホラー文庫)読了。老人介護施設らしきところに入っている主人公やけれど、施設に入る前の記憶などがすっぽりと抜け落ちている。手持ちの本などに何者かからの暗号によるメッセージが隠されていることに気がつき、信頼できそうなメンバーを集めて施設脱走計画を練る。無事施設を脱走できた主人公が知った真実とは……という話。少子高齢化、AIの進化、ロボット三原則、遺伝子操作発達などのテーマを組み合わせ、数人の老人たちを軸に個人的な脱走劇をディストピアものに仕立てあげる手腕は見事というほかない。小林さんは本書刊行後すぐに早世。もしまだ健在なれば、さらに問題意識をつきつめた傑作が誕生していたに違いないと思うと、ほんまにその死が惜しまれる。小林さんが最後に残した秀作として記憶にとどめておきたい。いやほんま、面白かったよとここに書いても、小林さんがコメントをつけてくれることはないんやなあと思うと、よけいに寂しいね。

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キスギショウジ氏の生活と意見 [SF]

 愛すれどTigers「森木大智先発デビュー」を更新しました。

 今日は出勤日。短縮はまだ続き、今日の授業はまたも「歴史新聞」の続き。生徒たちの質問になるべくていねいに答えたつもりやけれど、さてどうなるか。
 後は進路指導室での留守番業務やとか、育英会に送る書類の作成、水曜の授業に向けての準備など。会議も入ったりしたけれど、定時に退出。
 朝夕は涼しいけれど、日中はまだまだ暑い。とはいえ日光に当たっても汗がだらだらというようなことはあまりなくなった。歩くと汗をかくけどね。
 帰宅後はしばらく読書。夕食後も読書。タイガースの試合がないと読書が進む。
 草上仁/日下三蔵・編「キスギショウジ氏の生活と意見」(竹書房文庫)読了。もう少し早く読むつもりやったんですけどね。去年の出版なんやからね。単行本未収録作品ばかり19編。「SFアドベンチャー」と「野性時代」で発表された短編と、書きおろし1編。SFあり、ミステリあり、ファンタジーありとバラエティに富んだラインナップ。特に「野性時代」に掲載されたものはSFファン向けでないだけに、少しひねったものが多くなっている。私が特に気に入ったのは異星人の経営するカジノに潜入して麻薬をさばくボスをつかまえに行く「鉄の胃袋」、久しぶりに帰った祖父の農園で巨大昆虫と戦闘を繰り広げる「われらの農場を守れ」、花に新聞蝶が寄ってくるファンタスティックな小品の「お父さんの新聞」など。人間の欲望の醜さをえぐる、思わずぞくりとくるようなものもあれば、皮肉たっぷりでくすりと笑ってしまうものもありと、安定した質の高さで一気に読ませてくれました。往復の車中で読んでいたら、あっという間に降車駅に来てしまうのですからね。
 絶版になっている過去の短編集もぜひ復刊してもらいたいものです。これだけ面白い作品を多数発表しているのに、過小評価されているとしか思えんのです。これだけのベテランがこれまでSF大賞にかすりもしてへんというのはどういうことですか、と思うのですね。

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逃亡テレメトリー [SF]

 今日は出勤日。空き時間に少し余裕ができたので、奨学金の仕事を少しばかり進める。
 授業では、1960年代のNASAで活躍した黒人女性職員を描いた映画「ドリーム」の冒頭を見せる。白人たちの彼女に向ける視線など、差別視をわかりやすく表現しているので、生徒たちにもそこらあたりはわかりやすかった模様。
 放課後は進路指導の打ち合わせ。定時に退散し、帰宅してすぐに録画した相撲を見る。照ノ富士が琴ノ若を力でねじ伏せる。横綱はかくあるべし。その後夕食を取りながらナイター中継を追っかけ再生で見た。タイガースはまたも1点差負け。3度くらい逆転のチャンスがあったのに、代打の切り札原口の出番はなし。そこはロハスJr.やないでしょう。原口でしょう。陽川でもええぞ。ロハスJr.はない。矢野監督はロハスJr.になんでそこまで信を置いているのかあ。ようわからん。
 マーサ・ウェルズ/中原尚哉・訳「マーダーボット・ダイアリー 逃亡テレメトリー」(創元SF文庫)読了。マーダーボットが恩人のマーサ博士の警備ユニットとして乗り合わせた宇宙ステーションで、死体を発見。どうやら他殺らしい。「幣機」らしくなるべく面倒事に関わらないようにするんやけれど、結局探偵役をする羽目に。
 つまりこれはSFミステリなんやね。その気になればハッキングなどでまたたく間に真犯人を割り出す能力があるけれど、制約を受けていたり、マーサ博士に迷惑をかけないように自制したりして、人身売買の一味と闘うことになったりしては身の不運を嘆くあたりが楽しい。そして、シニカルで自虐的なゆーねあが本書ではまた戻ってきた。今後もシリーズは続くらしいので、本書のように新たな趣向を凝らして「幣機」をおおいに困らせながら活躍させてほしいものです。

 5月15日は「たちよみの会」例会の予定です。ただし、前日に新型コロナウィルスのワクチン接種をするので、副反応次第で中止にするかもしれません。当日の朝、このブログで告知します。また、蔓延防止等重点措置が解除されたとはいえ新型コロナウィルス感染者が大きく減ったわけではないので、今月も13:00~14:30の短縮版で行いたいと思います。ご参加お待ちしています。

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ネットワーク・エフェクト [SF]

 今日のお仕事は、自動車で実習生たちの実習先の見回り。ほぼ1ヶ月ぶりにインターンシップの実習ができたのです。この間、修学旅行があったりフィールドワークをしたりして、肝心の実習がでけん状態になっていた。新型コロナウィルス感染症も縮小の方向に向かい、どんどん実習させたかったけれど、なかなかうまくはいかんものです。次の実習は、3週間後。後期の中間考査などでまた間があいてしまう。その間にオミクロン株による感染症拡大なんてことがないのを祈るばかりです。
 一まわりして、職員室に戻り、事務作業。そやけど疲れが出たのか思うように進まなんだ。やれやれです。
 帰宅後しばらくは寝床にどぶさっていて、夕食後は読書。残りを一気に読もうとしていたのに何度も睡魔に邪魔をされる。それでもなんとか読了。まだまだ読みたい本はいっぱいあるしねえ。
 マーサ・ウェルズ/中原尚哉・訳「マーダーボット・ダイアリー ネットワークエフェクト」(創元SF文庫)読了。前作「マーダーボット・ダイアリー」がめっぽう面白かったので、この続編にも期待したんやけれど、前作ほど面白く感じられなんだ。今回の「幣機」のお仕事は惑星調査で出会う謎の敵と知力の限りを果たして戦う。そこにお節介な船も登場し、「幣機」はまたもぼやきつつ仕事を進めるのだが……というお話。アイデアは悪くないし、新たな警備ユニットとの交流などもあったりするんやけれど、私には何か食い足りなさが残ってしもうた。前作が面白かったのは、ロボット三原則なんかおかまいなく人を殺してしまえる「幣機」の懊悩やとか、人間でないからこそ人間にとって当たり前なことが不思議に見えるという文明批評が非常にユニークで、苦いユーモアを堪能できたんやけれど、続編となる本書ではそれよりも未知の敵との戦いがどうしてもメインとなり、戦う「幣機」の思考に潜むほろ苦いユーモアが今ひとつ感じられなんだからやないかと思う。
 未知の敵にあやつられる人々心理を読んで「人間はこれだから……」とやってくれたりしていたらなあ。未知の敵の正体など、あまり新味がないし、この先どうなるというほどのわくわく感もない。せっかくの作品の魅力が、ミステリアスなストーリーによって食われてしまうという皮肉なことになっているように思うのです。来年刊行予定という中編は本作の前日端という。そこでどれだけあの苦いユーモアを発揮できているか、期待したいものです。

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時の子供たち [SF]

 昨日は解熱剤のおかげで体温は一気に下がり、寝る前にも服用したので、朝の体温は35.3℃。しかし、昨日の発熱のせいで体力が落ち、発熱していた時よりもだるい。発熱していた時は体は重くて動くのがおっくうやっただけで、動くのは動けていた。今朝は動くとすぐに発汗。動かなくても発汗。歳も歳やから無理せず休むことにする。
 朝食後、少しパソコンに向かうが気がつけばうとうと。これはいかんと寝床へ。昼食を取るために起きて、パソコンで作業。しんどくなってきたので、また寝床へ行き午睡。体温は36.9℃で平熱よりも少しばかり高い。夕刻起きてきて、ナイター中継を追っかけ再生で見る。今日はサンテレビ-ABC-サンテレビのリレー中継。ベイスターズに完敗の上、牧選手にプロ野球史上初という新人のサイクルヒットを記録されてしもうた。
 試合終了後、読書。体温は36.7℃とまだ平熱より高め。解熱剤を服用するほどではないけれど、体調が戻ったというわけでもない。明日の出勤は朝の様子を見て決めたい。ポイントは通勤可能かどうかと、注射を打った腕の筋肉痛、かな。
 エイドリアン・チャイコフスキー/内田昌之・訳「時の子供たち 上・下」(竹書房文庫)読了。滅亡寸前の地球から、テラフォーミングのために宇宙船が発射された。カーン博士のもくろみは、テラフォーミングした惑星に猿を送りこみ、ナノウィルスを散布して進化を促し、第二の人類を作るというもの。ところが、部下の反乱で宇宙船は破損、猿も宇宙空間で全滅した。しかし、ナノウィルスだけは散布され、テレフォーミングされた惑星で、クモが進化を遂げ、新たな人類となる。やがて本当に絶滅寸前となった人間が冷凍睡眠を繰り返しながら宇宙を旅し、クモの惑星にたどり着く。進化したクモたちと、クモの惑星に降り立とうとする人類の末裔たちとの闘いの行方は……という話。
 猿ではなくクモが進化するというので、千塚治虫「火の鳥 未来編」を思い出した。あれはナメクジが人間のかわりに進化するという展開やったけれど、ナメクジたちは人間のカリカチュア的に描かれていた。本書はそうやなく、クモならではの独自の進化を遂げている。寿命の短さと記憶の継承をどう解決しているか、どのように文明を発展させているか。作者の詳細な描写にうならされる。さらには新たな地球を求めて宇宙をさすらってきた人類の末裔たちもまた長い旅の間に派閥争いや世代を重ねることによる劣化など問題は山積。それらの描写も緻密で、しかも並行して進むクモと人間の物語が離れたり重なったりする塩梅も効果的。そしてクライマックスの戦闘のあと、これまた予想外の結末が。
 英国でA・C・クラーク賞を受賞しただけのことはある読みごたえのある本格SF。非常に面白かった。ただ、装丁は上官も下巻もほとんど同じデザインの上、タイトルが見にくい。2冊並べたらクモの巣が続いた一枚絵になるようにしてあるという凝ったものやけれど、これでは書店で手に取る人はあまりいないんやないか。しかも版元はSF文庫とはたいてい離れたところに置かれることの多い竹書房。せめて背表紙くらいSF文庫っぽくでけなんだかなあ。

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眉村卓の異世界通信 [SF]

 今日も降ったりやんだりの不安定な天気。今日から定期考査。私の受け持ちの1年生の社会の試験がいきなり1時間目にある。例によって廊下当番をし、生徒からの質問に答えるために教室をまわる。
 試験終了後、しばらく事務作業をしたあと、午後は採点業務。1クラス分だけ採点終了。2クラス目の答案を少しやってから、定時に退出。鼻ポンプの医者に電話してワクチン接種の予約をとろうとしたが、もう満杯で予約できず。職域接種も申し込みが殺到しているようなので、そんな状況が落ち着くまで待つしかないみたい。
 帰宅後は追っかけ再生でナイター中継を見る。今日はカンテレの放送。延長はないので、長引いたらラジオかと思うていたけれど、ロースコアの投手戦で、最後にスアレスが撃ち込まれたりして負けたけれど、試合終了までテレビの放送時間に間に合う。
 パソコンを立ち上げると、最初はネット切断していたけれどすぐに接続。昨夜は0時きっかりに切断し、40分ほどしてから再接続したので、今日は早めに日記を更新したいところ。
 雫石鉄也さんから「眉村卓の異世界通信」を贈っていただく。SF作家や眉村さんが講師をしてはった創作講座の生徒さんなど多様な関係者からの追悼文や、岡本俊弥さんによる著作リストと解説、単行本未収録作品など盛りだくさんな内容。私は大阪に住んでいながら眉村さんと接点がなかっただけに、知人友人の文章を読んでは羨ましいと思うことしきり。質量ともに濃い一冊なので、今の私には一気に読み切ることがでけんので、自宅でくつろいでいる時などに少しずつ読み進めていこうと思う。今日目を通しただけでも、眉村さんのお人柄が伝わってきた。生前に知遇を得ることができなかったのは一生の痛恨事、かもしれん。
 雫石さん、ありがとうございました。大切に読ませてもらいますね。

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100分de華氏四五一度 [SF]

 昨日の夜は、実はネットとつながらなんで、やむをえず日記は半分だけスマホで手打ちというのを久しぶりにやって、翌朝にもう一度ネットにつながるか試そうと寝る支度をした。で、年のためもう一度モデムを見たら、接続している。そこから再びパソコンを立ち上げて、日記の全文を更新し、メールチェックをし……。すっかり夜更かししてしもうた。スマホで手打ちしていた時間の分だけ遅寝になったという感じかな。
 というわけで、鼻ポンプはしていたけれど安眠の途中でアラームで叩き起こされるといったところ。仕事が終わった時にはもうばてばて。帰宅してすぐ寝床にどぶさっておりましたとさ。
 朝食をとりながらNHKEテレ「100分de名著/華氏四五一度」を見る。今週は3回目で主人公の上司の口を借りて現代社会の問題点をあらわにするというくだりの部分を紹介。
 これはもう一度ぱらぱらと読みなおしてみたいなあと思い、気がついた。私、「華氏四五一度」を持ってへんのですね。図書館で借りて読んだのでありました。学生時代はハヤカワ文庫は比較的高くて何冊もバカバカと買えなんだし、大人になって読みなおすことにした時は、ちょうど前任校で図書室の係をしていたときで、係の特権とばかり古典SFや古典ミステリの名作文庫をあれこれとそろえていた時期で、その時に「華氏四五一度」も図書室に入れたので、これ幸いと借りて読んだのでした。
 絶対に読みなおしたいとは思わんやろうと思う架空戦記などは書棚に満杯になってるのに、読み返してみたいなあと思うものは手元にないという、なんともおかしい状況なのであります。そやからというて今さらぱらぱらと部分読みをするために「華氏四五一」を買うというのはちょっとね。
 それに、私としてはブラッドベリは「火星年代記」や短編集の方が好みで、「華氏四五一度」にはそれほど思い入れはないので、まあこれからも買い直すというようなことはないやろうなあ。
 とはいえ、メディアというものの本質を見抜き、なんとも切ない物語に仕立てあげる手腕はたいしたもの。映画化されたものは実は見てないんで、NHKはBSプレミアムと連動して「金閣寺」や「華氏四五一度」を放送すればよいのに。でもうまい具合に放送権が取れたらええけれど、WOWWOWあたりにちょうど放送権を持っていかれてたりしたりとか、そんなこともあるのかもしれんなあ。来週は最終回。きっとネタバレが降るので、これから読もうというような方は録画でもしておいて、読んでから見た方がよろしいと思いますよ。

 今月の「たちよみの会」例会も緊急事態宣言未解除のため、休会といたします。来月こそ1時間でええからフランソアに腰を据えたいものです。

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小林泰三特集 [SF]

 やっとこさ金曜日。朝、家を出た時にはほとんど雨なんか降ってなんだけれど、お山の学校に着くころには結構な降り。
 午前中は掃除用具チェック表の配布など。午後からは入試の最終点検と合格発表の準備。それが終わってからはほとんど仕事にならず。定時まで粘り、すぐに退散。
 月曜からは3月に変わってる。しんどかった年度もあと1ヶ月で終わる。今はもうカウントダウン状態。
 してSFマガジンの「小林泰三特集」を読む。
 彼は死んだんや、ほんまに。なんで新刊を贈ってくれへんのやろうというような気についなってしまうけれど。牧野修さん、北野勇作さん、田中啓文さん、我孫子武丸さん、田中哲弥さんによる追悼座談会を読んでいると、京フェスの合宿で冬樹蛉さんたちといっしょにその話を聞いているような気がしてきた。この話の輪の外から冬樹さんや私がちゃちゃを入れてないのが不思議なくらい。というか、小林さんがいてへんのはなんでやという気になってくる。
 ああ、彼はもういてへんのやなあ。
 いっしょにシュールストレミングという臭い缶詰を食べた時、「あ、げっぷ出た。またげっぷ出た」といちいち言うのに哲弥さんがつっこんでたこととか思い出す。楽しかったなあ。
 菅浩江さんと林譲治さんがSF大賞を受賞したし、もうそろそろ小林さんの番やないかと思うても、来年に特別賞かなんかが出るくらいやろうしな。それを本人が受け取ることはでけんわけで。
 早川でも創元でも角川でもどこでもええから単行本未収録のものをまとめて一冊にしてほしいなあ。
 妻とまた小林さんのことについて語りはじめたりする。
 もし私が原稿依頼をされていたらどう書いたかな。書き出しはこうなるか。
「彼は義憤の人でした」
 嘘じゃありゃせんほんまやで。
 あらためて、合掌
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杜子春の失敗 [SF]

 昨日の朝はなんとかいつもの時刻に起きられた。1日しか休んでへんから、体が休日仕様になってまうんやないかと危惧してたんやけれど、月曜日やと認識してくれたみたい。疲れのとれぬまま出勤。さらに疲れる。今日から短縮授業で、午前中はずっと授業。もっと疲れる。昼食を手早く捕り、一服つけたところで会議。それほど時間はとらなんだけれど、ますます疲れる。会議終了後、一息入れてから土曜に行われた社会科の試験の採点を始める。わりとさくさくと進むけれど、採点ミスのないようにと気力をふるいたたせているから、とことん疲れる。採点途中やったけれど、定時で退散。帰路は疲れているので車中でスマホをいじり、ソリティアなどゲームで気晴らし。それでも疲れる。帰宅後、しばらくだらだらごろごろ。ちょっと疲れが取れたので、読書。夜、ワードでこの日記を書いて、さてアップロードしようとしたら、ネット回線が切断したまま動かず。パソコンを立ち上げてしばらくはつながってるけれど、一度切断されるともうつながらん。やむなくスマホでかんたんんに文書を作ってアップしたけれど、これは困る。
 というわけで、今日スマホで検索して調べたら、ハードディスクのクリーンアップをしてないと切断することがあるとわかった。今日の午後はこの前の土曜午後の代休を取っていたので、考査答案の採点をすませてとっとと退散。帰宅後、午睡し、夕刻起きて鼻ポンプの内科に行く。これも土曜に予約を入れていたけれど変更して今日にしたのです。帰宅してからいよいよパソコンのプログラムからクリーンアップを選んで稼働。おおお、切断しなくなった! ちゃんとケアしてやらなんだ私が悪かった。というわけで、こうやって書いた2日分の内容の日記を読んでいただけることができます。よかったよかった。
 小林泰三「杜子春の失敗 名作万華鏡・芥川龍之介篇」(光文社文庫)読了。小林さんが芥川龍之介の短編小説をモチーフに、現代に生きる人々の姿を描く。いじめられ、金をたかられる少女は青焼きの冊子を通じて杜子春と会話し、自分の取るべき道を決める。零細企業で不正経理を命じられた男は、鉱石ラジオを通じて蜘蛛の糸のカンダタと会話し、自分のすべきことを決める。少し頼りなさげな恋人の子を身ごもった女性は、合わせ鏡を通じて河童の国の第二十三号と会話し、迷いを断ち切る。それぞれ別個の話として書かれながら、読み進めるうちにそれがつながりをもつことがわかってきた。そして書き下ろしの完結編では第一話の少女をいじめていた同級生が、なんとあの因業探偵と出会い、土管の中で白犬と会話し……。三話目までは少しほろりとさせるところもあるええ話なのに、最終話でとことん邪悪になる。そのコントラストがはっきりしていればいるほど、結末はいつものあの小林泰三さんの世界に否応もなく引きずりこまれてしまう。この構成の妙味。パスティーシュかと思わせておいて芥川の短編の写し絵のような、それでも独自の世界を展開していく。すでに次の「名作万華鏡」は「太宰治篇」として連載が進んでいたというが、書き下ろしとなるはずだった完結編が書かれていなければ、中途半端な形での絶筆となっていることになる。おそらく何らかの形でまとめられて出版されるんやろうけれど、本書を読んだら、完結話がなければならないことがわかるので、小林さんが完結編のアイデアでも残しておいてくれたら、それをもとにどなたか完成させてくれんものか。ほんまは私が……なんて思わんことはないけれど、せっかくの小林さんの力作をぶち壊しにしてしもうたらあかんね。
 読みながら、太宰の次は誰やったんやろうかとか、いらんことまで考えてしもうた。そうか、そうやな。もう小林さんのこの独自の世界が新たに綴られることはないんやなあ。まだ未読のものは何冊かあるので、急がずじっくりと読んでいこうと思う。

 12月20日(日)は、「たちよみの会」例会です。新型コロナウィルス感染症対策をした上で、多数のご参加をお待ちしています。第3波が来ているので、例会は13:00~14:30に短縮いたします。

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