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池波忍者 [読書全般]

 読売新聞のサイトを見たら、「池波正太郎、藤沢周平、あなたはどっち派?」というページがあった。うーむ、私は池波正太郎は少しばかり読んだけれど藤沢周平は読んでへんから、なんとも言いようがないなあ。
 で、記事を読むと、池波派の人たちは「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人梅安」「真田太平記」などのシリーズについて言及してはる。えーと、私が読んで面白かったのは実は忍者ものやったんですけど、それらについては一切触れられてへんのですね。池波忍者は山田風太郎や柴田錬三郎みたいに派手な忍法合戦を繰り広げるわけではなく、忍者の一族に生まれ、忍者として育てられたことに対する葛藤や哀感が掘り下げられていて、よくある忍術合戦などの場面は抑え気味に描かれていたりする。それがなかなか味わい深くてよいのです。
 私の好みは山風シバレンの人間離れした忍法合戦なのであります。ただ単に奇想天外なだけやなくて、通奏低音のように流れる虚無感が、忍者という生き方に常につきまとうている。そこがええんやなあ。
 そやけど、それやからこそ、池波忍者の哀感もまた捨てがたい。池波派の方たちが「真田太平記」以外の忍者ものに触れてへんのはしごく残念としか言いようがないですねえ。

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