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ノートル=ダム・ド・パリ [読書全般]

 朝から晴天。出勤するだけで汗だく。今日もサウナのような仕事部屋で首に濡れタオルを巻いて扇風機の風を当てつつ熱中症対策。ほんの数日前まで記録的豪雨やったとは信じられんくらい。一気に真夏です。
 午前中はすべて授業で埋まり、エネルギーを使い果たす。午後からは成績処理。エクセルにひたすら得点を打ちこむ。集中力があがり没頭してきたと思うたら、内線電話で中断というのが何度もあり、エンジンのかけ直しにまたエネルギーを使う。明日には成績つけがほぼ完了するめどがついたところで、定時に退出。
 帰路の車中で読書。ヴィクトル・ユゴー/辻昶・松下和則訳「ノートル=ダム・ド・パリ(下)」(岩波文庫)読了。以前NHKのEテレ「100分de名著」で紹介していたのを見て原作を読んでみたくなって上下巻そろえ、先月からずっと読んでいたのをやっとこさ読み終えたのであります。まあ途中で雑誌を読んだり休日はテレビ漬けで読書をさぼったりというところもあるけれど、一気読みするほど読みやすい本やなかったということかな。特に上巻。建築についてのユゴーの意見を延々読まされたり、中世のパリの街の構造を微に入り細を穿つように説明されたりと、ストーリーが一向に進まん。それがストーリー上欠くべからざる記述かというと、まあ知っておいた方が物語の舞台を理解しやすくなるという程度。それよりも冒頭に出てくる祭りの「らんちき法王」などの説明をしてよ。
 下巻に入ってやっと物語が進み、人間の抱える矛盾から起こる悲劇が語られることになる。ただ、物語としては「レ・ミゼラブル」の方が重層的でおもしろい。最初の長編ということもあってか、ストーリーは比較的単純なのですね。登場人物すべてが片思いのすれ違いということが悲劇を起こすことになるわけやけれど、人物造形がまだまだ類型的で、「醜い男の純愛」「ジプシーに育てられた少女の初恋」「禁欲的に生きてきた男の歪んだ愛情」「遊び人のうわべだけの誘惑」が錯綜するだけといえばそれまでなのですね。「100分de名著」でのストーリー紹介の方がずっとおもしろかった。
 まあ、小説に対する考え方など現在とはかなり違う時代に書かれたものなんで、そこのところは割引いて読んだ方がええと思う。青少年向けにリライトされたものがあれば、そちらを読むことをお勧めします。おそらく上巻の建築論みたいないささか退屈な部分はカットしているやろうからね。

 7月15日(日)は、「たちよみの会」例会です。祇園祭宵々山ですが、やります。多数のご参加をお待ちしています。

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