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常田富士男の死 [追悼]

 本日は「全校集会」という名の終業式。むろんこの灼熱日ですから、体育館に生徒を集めてというわけにはいかず、生徒は冷房のきいた教室で放送による校長の訓話を聞いたりする。私は室温32度の部屋で首に濡れタオルを巻き、扇風機にあたりながら聞く。私にとっては、きっと体育館の方が涼しげやったんやないか。
 奨学金関連の書類を持ってきた生徒が「わあ暑う! なんでクーラーつけへんの?」なんて言う。あればつけてますがな。
 というわけで、一日事務作業。定時に退散。帰宅して録画した相撲やプロ野球中継を見る。今日の横浜スタジアムの試合はBS-TBS。この局だけはサブチャンネルを使うた放送延長などもしないのです。CS放送に誘導するためのえさとしか野球中継を考えてへんのかな。他の民放BS局を見習いたまえ。放送時間終了後はパソコンで「ニコニコプロ野球チャンネル」を見る。タイガースがどんなに大敗していても最後まで見届けるのだ!
 俳優常田富士男さんの訃報に接する。享年81。死因は脳内出血。
 私が常田富士男という俳優の存在を知ったのは「巨泉・前武 ゲバゲバ90分」でしたね。オープニングで出演者が自分の名を書いたプラカードを持って行進しているから、名前もすぐに覚える。そやけど読み方がわからなんだので母に教えてもろうたなあ。そのあと「カリキュラマシーン」にも出てはったか。まあこの2つの番組は出演者がかなりかぶるのですが。
 そやから、私にとっての常田富士男さんは「コント番組で不思議な存在感を示す人」やったのです。
 で、「まんが日本昔ばなし」やね。市原悦子さんは子どもの声からおばあさん、おじいさん、美女の声とひとりでいくつも演じ分けができる人。東映まんが祭りの劇場長編では「サイボーグ009」や「太陽の王子ホルスの大冒険」でヒロインを演じてたしね。
 そやけど常田さんは違う。どんな役も常田さんの語り口でやるのです。そやのに、それぞれが別人に聞こえるのです。演技力というのはこういう力なんかと子ども心に強く印象に残ったね。
 今朝のスポーツ紙の見出しも「むかーしむかしのことじゃった」とつけていた。よく飲み屋での宴会芸で物まねをやったものです。高見山関と常田さんと笑い袋は今でも自信がある。それはともかく、それだけ常田さんの語り口が多くの人に浸透していたということなんやろうね。
 ちなみに今テレビ東京系で「ふるさと再生 日本の昔話」というアニメをしてますが、声優はやはり二人だけで、柄本明さんと松金よね子さんが担当している。明らかに常田さんと市原さんを意識したキャスティングですよね。
 のちにドラマや映画でそのなんとも土の匂いのするような存在感を知ることになる。
 こういう土の匂いのするような役者さんは現代ではちょっと出てこないんやろうなあ。
 謹んで哀悼の意を表します。

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