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パラレルワールド [SF]

 今日も今日とて猛暑日。お山の学校の仕事部屋の温度計は、昨日と同じ。夏休み前最後の職員会議で、府教委から「生徒の熱中症予防対策をとるように」と通達がきたと管理職が伝達。私は思わず「教職員の熱中症予防対策についての通達はないんですか」と質問してしまいましたよ。むろんそんなもんはなし。校長は苦し紛れに「クーラーのある部屋で仕事をするようにしてください」と言うたけれど、それができるんならとっくにやっとるわーい。
 とはいえ、やらねばならん仕事はやらねばならん。府教委の通達では熱中症防止に「こまめに休憩をとらせ、水分補給をしっかりさせるよう」言うてきているので、私もそれにしたがいこまめに休憩をとり、水分補給をしっかりしておりました。
 むろん定時に退出。帰宅して録画していた相撲中継を見る。御嶽海は土俵際まで高安を押しこむも高安がつま先立ちで残り、一瞬早く足が出ていて敗れる。もういっちょ、という感じの微妙な一番やったけれど、打ち出しの時間が迫っていたんで取り直しを避けたのかなあ。勘太夫の軍配が御嶽海にあがったくらい。もっともかなり迷ってから上げていたけれど。それでも2敗力士がいなくなったんで、御嶽海優位はまだ変わらんけれどね。
 小林泰三「パラレルワールド」(角川春樹事務所)読了。小林さんからご恵贈いただきました。なななんと地震と洪水で両親を亡くしてしまう男の子の話。この時期の出版はタイミングが合い過ぎですね。ただし、この少年は事故をきっかけに生じた二つのパラレルワールドにほぼ同時に存在するという状況におかれてしまい、「世界A」では父親を亡くし、「世界B」では母親を亡くし……というぐあいで、それぞれの世界に生きている両親の橋渡し役みたいなことをするのです。若い夫婦はそれぞれが亡くなったはずのパートナーとの絆を、息子を通じて結びあう。という作者らしからぬ心温まる物語、ではない。そこはそれ小林泰三さんのことですから、やはりとんでもない邪悪な人物が登場し、物語は急展開。パラレルワールドの縛りをうまく使いながら、家族たちと邪悪な男とのスリル満点の戦いが描かれることになる。そしてまたこの物語は少年の成長物語でもあるのです。とても面白かったです。小林さん、ありがとうございました。小林泰三ファンはもちろん、そうでない方にもお薦めいたします。

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