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大阪的 [読書全般]

 今日も朝から冷えたなあ。お山の学校の仕事部屋はガスストーブと電気ヒーターの二面攻撃でしっかりと温めて体温が低下せんようにしております。空気の乾燥はやかんをストーブにかけて蒸気を発生させる古来よりの方法で防いでおります。ファンヒーターやとこれがでけんのは不便やね。生徒たちの教室はエアコン完備。ただし空気乾燥対策は加湿器を使用して霧を吹きださせております。インフルエンザ対策、になっているんやろうか。
 あれこれと雑事多し。呼び出した生徒が待てど暮らせどやって来ない。奨学金に関する大切な話やのに、この意識の低さは何やろう。
 新聞によると、今年の漢字は「災」やそうな。確かに災害が多かったもんなあ。地震と台風には困らされた。いずれ今年の日記を読み返そうと思うているけれど、こうやって毎日アップしていると、これはこれで貴重な記録ではあるね。おかげで休校日が増え、時間割変更は行われたものの、曜日によって授業実施回数の多い日と少ない日の差が開いてしもうたのは痛かったなあ。3年生は実数はあと3週間くらいで全課程修了。うーむ、長く感じつつも気がついたらそこまで来ているのですね。
 井上章一「大阪的」(幻冬舎新書)読了。ステロタイプな「大阪」像に対し、なぜそのようなものが現在定着してしもうたのか、文献や実体験を基に考察し、本来の大阪の姿を明らかにしようという試み。著者らしくあれこれと私情をはさみながら真相に迫っていくので謎解きをするように楽しく読める。もともとは産経新聞に連載していたものなので、一冊の本としてはなんとなくまとまりがないのは仕方ないのかな。「安土桃山時代」という呼称はおかしい、「安土大阪時代」と呼ぶべきだというのは同感。どうも関東中心の歴史家たちは大阪を高くとりあげたがらんのやないかと問題提起をしている。いわゆる学術書やないので、専門家から見たら異論も多々あるんやないかと思うけれど、京都で生まれ育ち、大阪で仕事を長らくしている私には首肯できる部分が非常に多かった。でも井上さんの本はどんなに面白くて蒙を啓かされることが多いものでも、アマゾンの読者レビューでは星が不思議に低かったりするんですよね。関西人にしかわからん機微みたいなものが通奏低音のように流れているのが理解でけん人ほど評価が低いんやないかと私は勝手に決めつけているのですが。大阪は「食い倒れ」の町やのに、なんでか全国的には粉ものやホルモン焼き、串カツなどが代表的な食べ物になっているのはおかしいんやないかと感じているような方にお薦めの一冊です。

 12月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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