SSブログ

「西郷どん」とヤノフスキの第九 [テレビ全般]

 平穏な大晦日。朝早く起き、昨晩録画した「プロ野球 戦力外通告の男たち」などを見ながら朝食。食後、「西郷どん」の最終回を見る。うーむ。私は中園ミホさんが脚本を書いたドラマを見るのは初めてなんで、脚本のせいか演出のせいか原作のせいかはようわからんのやけれど、とにかく「腹黒い人物」というのを描くことが苦手なんやないかなあというのが最終回まで見ての感想。特に岩倉具視役は顔は笑うてるけれど目が笑うてへん代表格の笑福亭鶴瓶さん。かつて「翔ぶが如く」で小林稔侍さんが演じた岩倉は、何を考えているのかようわからん不気味な人物やったので、それ以上にえぐい岩倉を期待していたんやけれど、感情をストレートに出し過ぎていてサブタイトルにあった「怪人・岩倉具視」の「怪人」の部分が全く感じられなんだ。ただ単に人に認めてもらいたいだけの小物にしか見えなんだ。徳川慶喜も大久保利通もみんなそう。腹に一物あっても、西郷の前ではすべてさらけ出して激情する。私の期待していた人物像とは違うのですね。全編そんな感じで、薩摩の若者たちのエネルギー源は何やったかとか、今ひとつわからなんだ。たぶん他の題材やったらもっとうまく描いていたんやろうけれど。そう「花燃ゆ」なんかこの人が書いていた方がよかったかもしれん。大河ドラマとしてはまあ平均的な感じがした。さあ、次の「いだてん」はあの日本SFの祖ともいわれる押川春浪が登場したりするぞ。こちらはおおいに楽しみです。
 昼食後、午睡。夕刻から録画しておいた落語を楽しむ。月亭八方「崇徳院」、桂米團治「たちぎれ線香」など。特に米團治さんの「たちぎれ」は米朝師のそれとどうしても比較して見てしまうけれど、若旦那の切なさは米朝師には出せん軽味があって、それが非常によかった。
 夜は大晦日恒例の「N響の第九」を聴く。今年の指揮はオペラ指揮者のマレク・ヤノフスキ。名前は知っていたけれど、演奏を聴くのは初めて。オペラ指揮者やのに、オケにも合唱団にも歌わせない。早目のインテンポでぐいぐい引っ張る。特に他の指揮者が長くのばして響かせる部分をさっと切り上げるもんやから、かなり弦を重ねているにもかかわらず、軽快な感じで曲が進む。ベートーヴェンやなくモーツアルトを聴いているような感じがする。終楽章の合唱もさくさくと進むので合唱団も歌声を響かせられない感じがした。こういう「第九」もありやとは思うけれど、感動するようなタイプの演奏やなかったなあ。
 というわけで、今年もご愛読ありがとうございました。地震に台風にモリカケにと「災」の一年やったけれど、来年は平穏無事な年になりますように。あ、大阪はダブル選挙がどうとかいうてるからまたも落ち着かん年になりそう。破廉恥な破落戸たちが退散すると平穏無事になるんですけれど。
 みなさま、よいお年をお迎えください。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ