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短編ミステリの二百年1 [読書全般]

 今週は朝夕急に冷え込むようになったり、黄砂の影響もあったりで、調子がよろしくない。今日は諸般の都合で時間割が変更になり、いつもなら2時間目にある授業を6時間目に行うことになり、金曜日の6時間目なんてのは生徒たちの集中力が一番散漫になる枠なので、ほんまにやりづらかったなあ。
 空き時間にニュースをチェックしたら、新共通テストの民間のものを活用する英語のスピーキングテストは延期になるとか。進路指導の先生が苦労してはったけれど、不備だらけのシステムが失言文科相のおかげで大きな話題になって見直されたんやから、失言にも効用はあるということかねえ。「身の丈」発言がなかったらそのまま実施されていたところやろうからね。
 私は奨学金関係の事務作業が新たに入り、ちょこちょこと動き始める。
 定時に退散し、帰宅後も少しばかり読書。ただ、鼻の調子が悪く、風邪ひきなのか黄砂に反応しているのかようわからん。明日は母の見舞いに行く予定やけれど、体がもつかなあ。
 小森収・編「短編ミステリの二百年 1」(創元推理文庫)読了。「世界推理短編傑作集」を補完する形で新たに編まれたアンソロジー。謎解きのミステリだけではなく、まだ「推理小説」というジャンルが確定する前の時代から、ミステリ要素を持った短編を編者が寄り抜いたもの。本巻ではスティーヴンスン、ピアス、フォークナー、モームといったいわゆる「ミステリ作家」ではない作家たちの書いた「犯罪小説」が多く選ばれている。巻末には編者による「短編ミステリの二百年」と題された解説がついており、これが全ページの1/3くらいを占めている。たんに収録作の解題をするだけでなく、ミステリ史を俯瞰しようという試みで、読み応えがあった。収録作の選定といいこの解説といい、ミステリファン向けに編まれたアンソロジーといえる。乱歩編の「短編傑作集」で入門し、古典ミステリの代表的な長編を読んだ上で読んだ方がよろしいと思います。今、私はそういう形でミステリ再入門をしているので、そういう意味ではおもしろく読めたけれど。集中では、ピアス「スウィドラー氏のとんぼ返り」、モーム「創作衝動」、ラニアン「ブッチの子守唄」あたりがシニカルで気にいった。本格的な謎解きを期待して読んだらがっかりするかもしれんけれど、犯罪を通じた人間描写を十二分に楽しむことのできる一冊ですね。

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