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星の王子さま(池澤夏樹・訳) [読書全般]

 妖精さんがまた増えたので、とりあえず水曜までは授業なし。今日は妖精さんが隠棲したあとどうするかということについてさんざん話し合い、準備をしていくというところまでがお仕事。明日は妖精が隠棲したあとの、授業を再開する時の準備をすることになる。いや、まだ新たに妖精さんが現れるかもしれんので、それに備えて出勤せんならん。ど素人保健主事には荷が重い。去年までのぼっち部屋担当やったら、とっとと休暇を取ってステイホームするんやけれど。むろん、定時には帰れず。少しだけ遅くなる。
 帰宅後、読書。夕食後は妻と「アルプスの少女ハイジ」を見て心を清めた。
 アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ/池澤夏樹・訳「星の王子さま」(集英社文庫)読了。左開き横書きというところに特色があります。ただし挿絵はすべてモノクロ。内藤濯の詩情あふれる文体に対し、こちらは硬質のきりりとした翻訳。内藤訳が「です・ます」やったのに対し、こちらは「だ・である」。用語も漢字の熟語を多く使い、明らかに大人向けに書かれたもの。内藤訳が王子さまの心情に心を寄せているのに対し、こちらはパイロットから見た王子さまというスタンスがはっきりとみてとれる訳し方になっている。それだけに、センチメンタルな気分には決してならず、どこか冷めた心持で読むという感じになる。もしかしたら、この作品の本質的なところはそうやって見ないとつかめんということなのかもしれん。文明に対する風刺という側面がくっきりと浮かび上がる訳で、王子さまとの別れの場面も、王子さまがパイロットを突き放しているように感じられた。これはこれで面白く読めたけれど、子供に買い与えるならばやはり内藤訳の方やろうなあ。

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