視聴率もナショナリズム？

　ＷＢＣ決勝トーナメントで日本代表チームが敗れたせいで、決勝戦の中継の放送時間が変更になってしもうた。日本代表が決勝に残っていたらプライムタイムで放送する予定やったものが、深夜枠に移動になってしもうたのであります。そのせいで、楽しみにしていた深夜アニメ「新世界より」の放送がなくなった。
　まあ、プエルトリコとドミニカやオランダの試合では確かに日本代表の試合と比べたら視聴率が落ちるやろうから、放送局の判断は当然やろうとは思う。思うけどね、例えばオリンピックやったら日本の選手がすべて予選落ちしたからというて陸上の短距離の決勝は放送しません、なんてことはないでしょうに。
　つまり、視聴者は日本のチームが活躍するところだけをみたいということになるんやろうなあ。野球そのものが好きなわけでは決してないと、まあそういうこと。
　私はＷＢＣなる大会そのものに興味がないから、中継放送は全くといっていいほど見ていない。野球は好きやけれど、例えばメジャーリーグの第一線で活躍している選手が次々と出場を辞退するような大会にどこまで値打ちがあるか疑問に思うているからなんですね。
　それやったら、アジアシリーズの覇者と米国ワールドシリーズの覇者がガチンコで対決するようなほんまもんのワールドシリーズを見たい。むろん日本のチームに所属している外国人選手もちゃんと出場して、ベストメンバーでやる試合、ですよ。
　それだけに、視聴率をとれへんのやったらアニメをつぶして深夜でやったらそれでよし、なんていう放送局の姿勢にはちょっと腹が立つ。ＷＢＣという大会に値打ちがあると思うからプライムタイムで放送したりしてるわけでしょう。そこで決まる世界一のチームの強さをちゃんとたくさんの視聴者に見てもらい、野球という競技のおもしろさを伝えるとか言う発想は、そこにはないのね。
　とりあえず権利をとったから放送はせんならん、みたいな姿勢が垣間見えて、そしてそのためにレギュラー番組はつぶしてええという考えはやめてほしいなあ。
　結局視聴率もナショナリズムに支配されているということになるのか。まあ、フィギュアスケートも日本人選手の強いシングルスばかり放送してペアやアイスダンスは放送してへんのやからなあ。ほんまに好きな人にしたらたまらんということですわ。