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蒼国来の勝訴 [大相撲]

 今日は休暇を取り、休養。とにかくこの3月中に疲れを取り切ることはできないまでも、体調だけは整えておきたい。鼻炎薬は呑んではみたが効いているんだかどうだか。午後に雑誌を買いにちょっとだけ外出したのみ。あとは自宅で二度寝したり本を読んだり。芸人本をまとめて読む。里見まさと、月亭方正、月亭八方といった人たちのものを立て続けに。方正さんと八方さんの本の記述が、立場の違いからか微妙に食い違うているのが面白い。もう1冊、桂ざこば師匠の本もあるので、こちらは明日読もう。
 ところで、大相撲の八百長疑惑で協会から解雇され、不当解雇と告訴していた元幕内蒼国来が勝訴。とにかくあの時の協会の調査委員会は、八百長の事実を認めた春日錦らが名前を口にした力士に片っ端から引退勧告をした。そして、八百長は認めたくないけれど、退職金がもらえなくなるのは嫌だと唯々諾々と多数の力士が引退していった。その中で、海鵬、蒼国来、星風は引退勧告に応じす、蒼国来と星風は訴訟を起こしていた。
 星風は「中盆(八百長の仲介係)」の恵那司の証言により敗訴となったけれど、蒼国来は春日錦の証言のみで肝心の「中盆」恵那司の口からその名が出ることがなく、証拠不十分で「八百長に関与した確固たる証拠がない」と法廷によって判断が下されたというわけやね。
 私は当時ここ で“引退勧告は「トカゲの尻尾切り」のようなものであるように、私には感じられてならない”と書いたけれど、2年越しでそれが明らかになったということになるのかな。調査委員会はとにかく結果を出すためにも春日錦の証言を鵜呑みにして、「中盆」恵那司ややはり八百長を認めた千代白鵬の証言を合わせて確認したりせなんだというこっちゃね。
 それでは、泣く泣く引退勧告に従った力士たちはどうしたええんやろう。清瀬海、白馬、猛虎浪、徳瀬川、光龍、春日王、琴春日、将司、豊桜、境澤、霜鳳、旭南海、安壮富士、若天狼、保志光、十文字、霧の若、白乃波、山本山ら19人の力士の中には将来を嘱望されていた者もいるし、個性派として当時の土俵に欠かせない存在もいてた。もし彼らの中にほんまに八百長に関与してなんだのに春日錦の「証言」だけでクロと決めつけられたものがいてたら……。
 むろん、引退した力士たちはもう土俵に戻ることはないやろう。それだけに、今回の蒼国来の勝訴を複雑な気持ちで見ているんやないかと思う。
 北の湖理事長は「調査委員会がどのような調査をしたか検証したい」というているけれど、何をいまさらと思う。技量審査場所で初土俵を踏んだ千代大龍が、今場所はもう大関と対戦して倒す活躍を見せている。力士にとっての2年間は長すぎる。当時私はこう書いた。“引退勧告対象の力士たちには心を入れ替えて土俵に精進する機会を与えてもよかったのではと思う”。
 あの八百長騒動とは何だったのか。調査委員会の調査内容よりも、騒動全体を検証し、その後ほんまに八百長が行われてへんかを確認していくことの方が必要なんやないやろうか。
 蒼国来の勝訴は、喜ばしいと思う反面、手放しで万歳とはいかないのが今の私の心境であります。

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