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墓場の少年 [読書全般]

 朝から雨。低気圧のせいか体が重い。花粉の影響もあるのか、鼻の調子がよろしくない。こういう日は休みたいところやけれど、そうもいかん。スローペースながらこつこつとお仕事をしておりました。午後からは会議。午前中に会議資料をこしらえることができたので、まあやるべきことはやったと言うてええかなあ。
 雨は午後からあがり、退出するころには青空も見えてきた。
 帰宅して朝ドラ「まんぷく」などを見る。さあ、今度はカップヌードル開発か。前にも書いたけれど、これは「プロジェクトX」でも扱うた題材ですのね。ドラマやからまた違う展開になるんやろうけれど、どんな味付けをするのか。ところで、「まんぷく」効果でチキンラーメンの売り上げが上昇しているらしい。ドラマを見て無性に食べたくなったのは私だけやないということですね。
 ニール・ゲイマン/金原瑞人・訳「墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活」(角川文庫)読了。謎の殺し屋に家族全員惨殺されるところをなんとか墓場の幽霊たちの助けで命が助かった赤ん坊は「ノーボディ(誰でもない)」と名付けられて幽霊たちに育てられる。幽霊たちとの奇妙な生活の中で成長していく少年の物語なんやけれど、殺し屋連中はある理由から少年の命をまだ狙うていて、墓場から外に出ることは原則禁じられたりしている。それでも人間社会を知りたい少年はひっそりと学校に行ったりするんやけれど、そこでいじめっ子をこらしめてえらいことになり……。「ジャングル・ブック」のモウグリ少年を意識して作られたというのが本書やそうです。密林の動物たちに育てられたモウグリに対し、墓場で幽霊たちに育てられるというのが楽しい。それゆえのドタバタもあれば、地下にひそむグールたちにさらわれたりという恐ろしい場面もあったりして読み手を飽きさせない。そしてついに彼を狙う殺し屋との対決。児童文学やから読みやすく描かれているのは当然なんやけれど、それ以上に読みだしたら止まらん展開になっている。少年の成長物語として読むもよし、幽霊や魔女と少年がかかわるファンタジーとして読むもよし。いろいろな読み方を楽しめる秀作であります。

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