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ミス・マープルと13の謎 [読書全般]

 今日もお山の学校はなんだか寒かった。二次募集の合格者に対する説明会に出て、一次募集の合格者と同じ説明をする。その他、来年度の時間割関連の作業など頭を使う細々とした仕事が多かった。体が冷えたかまた風邪がぶり返したもよう。明日も歓送会があるのに大丈夫かしらん。むろん定時に退散。
 帰宅してからたまっている録画を何本か見る。春場所の間にたまってしまったアニメがけっこうあるのです。4月に新番組が始まるまでにたまっているものは見てしまいたいなあ。
 アガサ・クリスティ/深町眞理子・訳「ミス・マープルと13の謎」(創元推理文庫)読了。ベテラン翻訳家による新訳版。ハヤカワクリスティ文庫でのタイトルは「火曜クラブ」です。英国での初版タイトルが「ミス・マープルと13の謎」で、米国での初版タイトルが「火曜クラブ」なのでこんな具合になったのではないかと推察してますが、読むなら新訳版と思い、こちらを選んだのであります。セント・メアリ・ミード村に住むミス・マープルの家に毎週火曜に集まった人たちがそれぞれの知っている事件を紹介し、たがいに謎解きをし合う〈火曜の夜〉クラブで、村から一歩も出たことのないという老齢のミス・マープルが他の多彩なメンバーの解答を聞いた後でズバリと真相を言いあてるという構成の短編集。クリスティはミス・マープルシリーズが長く続くとは思わずに書き始めたそうで、このあとの長編では自ら動いて事件を解決することが多くなるミス・マープルも、まだこの短編集ではまさに安楽椅子探偵そのもの。込み入った事件であっても、村のささいな出来事になぞらえて考え真相を言いあてるのは豊かな人生経験に裏打ちされた人間観察眼のたまものというわけ。それぞれの短編に趣向が凝らされていて非常に楽しく読めたのだけれども、最後のほうに近づくと、あまりにもミス・マープルの推理力が高すぎるのにちょっと飽きがきてしまうという難点もある。そやからクリスティも安楽椅子探偵やったミス・マープルをのちのシリーズではアクティブなおばあちゃんに変えていったんやろうね。とはいえ名探偵ポワロと並ぶ2大キャラクターとなったミス・マープルのキャラクターは初登場からぶれてへんというのはすごいことやなあ。もっとも私はクリスティはそんなにようけ読んでへんから偉そうに言えた義理やないのですが。

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