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クロイドン発12時30分 [読書全般]

 今朝の朝刊の見出しに「イチロー引退」と大きく載っていた。私が日記を更新したあと、深夜に記者会見を行ったようです。日刊スポーツの高原記者が以前イチローと話をした時に、「もう神戸に球団はないから、日本に戻ることはないだろう」という主旨の発現をしたと書いていた。2004年のオリ近合併騒動がなく、ブルーウェーブが神戸を本拠地にし続けていたら、イチローは日本に戻ってプレーしてた可能性もあったんやなあ。つくづくあの騒動が球界に残した影響の大きさを感じるね。
 今日は入試の二次試験。私は受験生にちょっとした注意を言う係。午前中で二次試験は終了し、午後から合否判定の会議。それ以外にもこの前卒業した生徒が奨学金がらみで連絡してきて、その対処をしたりと、落ち着かない一日になった。退勤後、堂島某所にあるお好み焼きのお店で転勤する先生のへのお疲れさん会。豚キムチやとん平焼き、ホルモンに焼きそばというB級グルメのコースセット。ビールをのみつつわいわいと楽しく過ごす。こういう会に出るのも久しぶりやなあ。
 京阪中之島線から地下鉄に乗り継いで帰宅。一服つけてすぐにパソコンに向かう。この日記を更新してから録画した相撲を見る予定。明日は休みやからちょっとくらい夜更かししてもええねん。
 F・W・クロフツ/霜島義明・訳「クロイドン発12時30分」(創元推理文庫)読了。第一次大戦後の大恐慌にまきこまれた工場主が叔父の莫大な遺産を手にするために綿密な計画を立てて毒殺する。一度は叔父の自殺ということになり、資金調達を果たした犯人やったけれど、いきなり殺人犯として逮捕され、舞台は裁判所に。いわゆる「倒叙推理」の形式で犯罪を先に描写して、それをフレンチ警部が解決するという構成になっている。そやけど「刑事コロンボ」とは違い、犯人と警部の丁々発止のやりとりはなく、完全犯罪を成功させたはずの犯人が逮捕されて裁判所の被告席に立たされる、その心理描写と法廷での弁護士たちのやりとりが中心。なんで犯人は殺人を犯さなならなんだのか、尋問の度にかわる法廷の風向きに翻弄される犯人の心情などをていねいに描き切っている。最後にフレンチ警部が犯人を特定できた理由を解説するという結末は、「コロンボ」から倒叙ミステリに接した私にはいくぶん物足りなく感じられたけれど、細かな証拠を積み重ねて真相に至るという「樽」で見せたクロフツの緻密さがこの作品でも生きているね。長らく絶版状態にあったものが新訳で出たというわけで、今度は品切れにせんようにしっかり残しておいてほしい作品でありました。

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