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カムパネルラ [SF]

 今日も完全休養日。早朝から昨夜録画した深夜アニメを見る。それから「ジオウ」「リュウソウジャー」を見て、午前中残りはパソコンを立ち上げてかきものなど。昼食後、午睡。明日からフル稼働せんならんので、ひたすら休養につとめる。
 夕刻起きてきて、録画しておいたタイガース開幕第3戦を見る。残念ながら1点差で惜敗。それでも強力なスワローズ打線を3試合で3失点に抑え、4得点で2勝1敗なんやから、文句なし。タイガース打線が打たれへんのはキャンプ中からいわれてきたことやからあきらめもつくけれど、スワローズ打線にタイガースの投手陣の強さを感じさせただけで満足です。
 山田正紀「カムパネルラ」(創元SF文庫)読了。作者にここまで宮沢賢治に対する思い入れがあったとは知らなんだ。主人公が宮沢賢治の死ぬ直前の世界にまぎれこむけれど、その世界では賢治はすでに死んでおり、早世したはずの妹が生きていてその娘と主人公がかかわっていくことになる。しかもその世界は「銀河鉄道の夜」とリンクしていて、彼はジョバンニと呼ばれてカムパネルラを殺したことにされてしまう。
 こう書いているとSF風味の幻想小説みたいでしょう。ところが、作者はいろいろと仕掛をしていて「1984年」のような統制社会に対する反逆という物語になっていく。宮沢賢治とジョージ・オーウェルの世界観を力技で一本化してしまうところがさすが山田正紀。ただし、宮沢賢治や「銀河鉄道の夜」を事前に読んでいないとわかりにくいところはあるかもしれん。読んだことがなくてもわかるようにはしてあるけれど、どうしてもこういう作品の場合、未読のままやと作品世界にすっと入っていかれんのは仕方ないかな。あと、ある程度宮沢賢治作品に対する思い入れがないとついていかれへんように思う。私は宮沢作品は嫌いやないけれどのめりこむほどには読まれへんので、「なんでここまで宮沢賢治にこだわらなあかんのかなあ」なんて思うてしまい、本作の持つ「熱」についていかれんところがあった。そこらあたり、読み手を選ぶ小説やないかと感じた次第。

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