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双羽黒の死 [追悼]

 今日は年休をとって1日休養。朝は定時に起床して深夜アニメ「幻想のネバーランド」最終回などを見る。それから昼前まで少し寝て、昼食後はパソコンに向かい、かきもの。読書をしてたら眠くなってきたので、午睡。夕刻起きてきて、待望のプロ野球開幕戦を見る。テレビ中継は15分だけしか延長してくれなんだのでラジオに切り替えてサヨナラ勝利を聞く。スマホで「DAZN」アプリを開き、ハイライトを見たりしてから、パソコンに向かう。
 ニュースサイトを開いたら、大相撲元第60代横綱、双羽黒光司さんの訃報 に接する。享年55。死因は慢性腎不全。
 取的の頃から大器と期待された人やった。そして期待通り大きな相撲で勝ち進み、のびのびした明るい性格も相まって、大関までは順調に出世していった。当時高価やったパソコンを使うということで、「新人類」なんて呼ばれたりしてたなあ。そうです、私らの世代は「新人類」やったんです。いまや旧人類になってますけどね。北尾関はあの時パソコンで何をしてたんやろう。パソ通でもしてたんか。ファミコンですら今のスマホとは比べものにならんくらいスペックが低かったから、パソコンでできることなんてたかが知れていたからになあ。
 期待が大き過ぎたせいで、優勝なしで横綱に昇進。当時の春日野理事長の命名で「双羽黒」と改名させられた。本人は本名の北尾のままでよかったと思うてたのにね。いくら理事長とはいえ一門外の親方がしこ名をつけるなんて、よほどですよ。しかも相撲史に残る大横綱の双葉山と羽黒山を合わせたしこ名ですよ。この基準でいえば稀勢の里なんか何度でも横綱になれたぞ。それはともかくここから彼の相撲人生は暗転する。千代の富士を何度も追い詰めながら優勝できず、なぜかメディアでは悪評ばかり報道される。ちゃんこがまずいと付け人をどついたとかなんとか。そしてついにおかみさんに怪我をさせた大々的に報道される。おかみが腕をつって映っている写真がでかでかとスポーツ紙に掲載される。追いつめられたまま、廃業。私はこれは今でも何か仕組まれたものやないかと疑うている。甘やかしておいて、結果増長したと叩きつぶす。まるで相撲史の汚点のように今も伝えられる。以後、横綱に昇進する基準が厳しくなって、旭富士から日馬富士までの横綱は2場所連続優勝しないと準優勝でも昇進でけんようになった。さすがに鶴竜以降は「優勝に準ずる成績」という条件が適用されるようになったけれど。
 以降の北尾さんは「冒険家」「格闘家」などをして話題にはなるけれど、結局長続きせず、一時は立浪部屋でコーチをつとめたりもしていたけれど、表舞台から姿を消してしもうた。
 そして近年の暴力事件……。北尾さんにコメントを求めるメディアはなかったけれど、北尾さんはどういう思いでこれらの事件を見てはったんやろうな。
 ちゃんと優勝してから綱を締めていたら、双羽黒なんてキメラみたいなしこ名やなく北尾のまま横綱になっていたら、また違うた相撲人生を送っていたように思う。若くして大き過ぎる期待を背負わされるということで人生が狂うてしまう。期待度では全くかなわなかった保志が北勝海となり優勝して横綱になり、今や協会の理事長になっているのを見ると、運命の残酷さというようなものを感じてしまうなあ。
 大関北尾時代の明るい笑顔が忘れられへん。スケールの大きな大横綱になれる可能性が、「期待」という得体のしれん魔物のせいでつぶされた「悲劇の横綱」やった。
 それにしてもまだ55歳で逝去とは。これもまた悲劇の横綱らしいといえばいえるんやろうけれど。
 謹んで哀悼の意を表します。

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