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天狗倶楽部 [読書全般]

 今日は好天。午前中はパソコンに向かい、今年度作成した文書の整理など。午後からは先週土曜の休日出勤の振り替えをとっていたので、午後1時ごろ退散。もう少し早目に退散するつもりやったけれど、転学する生徒の奨学金に関する手続きについて担任の先生からたずねられたりしていて、出るのが遅くなった。退散したあとも無人のぼっち部屋にそういう連絡がちょこちょこと入っていたのかもなあ。
 帰宅してすぐに午睡。とにかく休みたかったのです。夕刻起きてきて、妻と先週録画した「刑事コロンボ パイルD-3の壁」を見る。私も大好きな作品で、妻は初見とのこと。きっちりと作りこんでおり見ごたえがあった。監督はピーター・フォーク自身。高視聴率のごほうびやそうで、あちらのテレビドラマではよくあることみたい。妻によると「コンバット」でビック・モローが何本かごほうび監督をしているそうな。もっともモロー監督は自分ばかり強調した演出でほめられたものやなかったんやて。それに比べると、フォーク監督はそう思って振り返るとコロンボの長回しが目立つシーンがあったりもしたけれど、見ている時には何の違和感もなかったというからたいしたものです。
 横田順彌「快絶壮遊[天狗倶楽部] 明治バンカラ交友録」(ハヤカワ文庫JA)読了。江戸東京博物館での講演をベースに大幅に加筆してまとめたもので、明治時代の文人やスポーツ選手たちの楽しいエピソードが満載。講演がもとなので、「天狗倶楽部」について知らない人にもわかるように書かれている。「教科書に載っていない」といいながら、教科書に書かれていることを恣意的に解釈したようなものがけっこうあるけれど、これこそ教科書どころか大学教授あたりが書く新書などにも載っていないエピソード満載。明治時代には現代では考えられんほど思い切ったことをする人がいたんやなあと感心させられる。司馬遼太郎の描く「明治」とはまるで違う世界がここにある。大河ドラマ「いだてん」のおかげで「天狗倶楽部」の知名度も上がることやろうし、そこに便乗しての文庫化でもあるんやろうけれど、こういう文庫化ならぜひぜひ他社もやっていただきたい。もっとも今の「いだてん」の視聴率やとそんなに便乗企画はないかもしれんなあ。北原尚彦さんの解説によると、横田さんは「いだてん」に企画段階から協力、資料提供などもしてははったらしい。「面倒臭くなって途中で手を引いちゃった」らしいけれど、そんなことせんとずっと協力し続けてくれはったら……。横田さんの明治本はまだまだたくさんあるんで、ぜひ他社でもどんどん文庫化し、まさに「教科書に載ってないし、司馬遼太郎も書けなかった」明治を多くの人に知ってほしいと思いながら読んだのでありました。

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