SSブログ

本盗の妙味 [プロ野球]

 純粋なホームスチールなんてめったに見られるもんやない。長いことテレビでプロ野球を観戦してきたけれど、2004年のオールスターゲームで新庄がやったのを見たくらい。オールスターという、お祭りやから成立するもんで、公式戦ではなかなかお目にかかれん。あったとしても、一三塁の場面でダブルスチールを敢行して、捕手が二塁に送球するところを三塁走者が楽々ホームイン、というケース。これも記録上は本盗になるんやけれど、相手の隙をついてという本盗ならではのスリルはない。
 で、今日のタイガースとカープの試合で、そんなスリルのある本盗を見た。カープの攻撃で一三塁としたところで、一塁走者の梵選手が大きくリードを取る。左腕の岩田投手は反射的に一塁へ牽制球を投げる。岩田投手には三塁走者の動きは見えてへん。油断があったんやろう。なにしろ三塁走者は新井貴浩選手。昨年までのチームメイトで、めったに盗塁などしない。盗塁するよりホームランでゆっくりホームインするタイプの選手であります。この新井選手が、岩田投手の牽制と同時に本塁に向かって突入。ゴメス一塁手はあわてて本塁へ送球するけれど、肩に力が入ったかワンバウンド送球になった。それでも梅野捕手が新井選手にタッチしにいった時には、ぎりぎりアウトかというタイミングやった。そこを新井選手は巧みにすりぬけてホームペースを手ではく。審判の手が大きく広げられる。
 セーフ!
 本盗というのはつまりこういうものです。鈍足選手が相手の油断を突いてぎりぎりのところで決める、そこに妙味がある。
 この一か八かのプレーで試合の流れはカープに。カープファンは気持ちよかったやろうなあ。悔しいけれど、腹は立たんな。これこそプロの見せるレベルの高いプレーやからやと思う。
 明日は藤浪くんがカープに行きかけている流れをせき止めてくれるよね。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ