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特攻隊振武寮 [読書全般]

 今日の帰り、阪急電車は人身事故の影響でダイヤが乱れ、いつもなら乗り換えんでええ駅で乗り換えたり、乗り継ぎで待たされたり。むろんプロ野球の試合は始まっている。駅で待っている間は駅のWi-Fiサービスを活用できるのでスマホで中継を見る。
 問題は帰宅してからで、いろいろ考えた挙句、ラジオとの併用というのを思いついた。試合を全部見ようとするからパケット料金がかかるのです。これまで同様ラジオで試合の様子を追いながら、チャンスの場面やピンチの場面の時だけスマホで映像を見るのです。イニングの間の選手交代の時間などにまでパケット料金を使う必要はないのです。もっともラジオをかけながら寝床で横になっていたら疲れから居眠りして逆転された場面はリアルタイムでは見逃したんやけれど、データでの中継なんで、点を取られたイニングまで戻して見たりもできる。
 明日からのナイターはBSやサンテレビで中継があるし、甲子園の試合やとまた「虎テレ」が無料視聴にしてくれる可能性があるので、ビジターの試合はこれでいこう。
 大貫健一郎・渡辺考「特攻隊新武寮 帰還兵は地獄を見た」(朝日文庫)読了。「特攻」について考えるための本第2冊目(あくまで私にとって、です)は、がたがたの機体に乗って特攻を果たせず帰還してきた兵士の証言。大貫氏は歌手大貫妙子さんのご父君。機体のトラブルで不時着し、なんとか生還したのにもかかわらず、再出撃はならず、福岡に設けられた「振武寮」に連れていかれ、そこでクズ扱いされる。実は特攻隊に選ばれた時点で死亡届も出され、生きていてもらっては困る存在になっていたのですね。実は「振武寮」については映画「月光の夏」に登場していたので、一応知ってはいたけれど、ここまでひどい扱いを受けていたとは知らなんだ。大貫氏の証言をNHKスペシャルのディレクターである渡辺氏が再構成し、「特攻」についての解説を付け加えている。テレビの番組を書籍という形で残すのはNHKスペシャルなどで多く行われているけれど、本書の親本はしばらく絶版になっていた模様。文庫化して再び日の目を見たことは喜ばしい。
 本書ではちゃんと飛行訓令を受けた学徒兵士たちの当時の本心がはっきりと吐露されているという点でも価値がある。本書を読めば、特攻隊を美化なんて絶対出けへんはず。誰が喜んで死ににいくものか。それを軍神の何のと美化して最悪の作戦を最高の作戦であるかのように見せかける愚劣さ。死にたくない者が「死にたくない」と言えない愚かしさ。生き証人の言葉には死んだ仲間たちの分もという思いがこめられ、ずしりと響く。

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