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長部日出雄の死 [追悼]

 一日なにかしらだるい。動くことがおっくうな時間もあったりして、最低限これだけはしておかねばという仕事はできたけれど、精神力でなんとかもたせたという感じであるなあ。午後からは授業と会議がみっちりつまっていて、とにかく定時で退出。へとへとになって帰宅。やっぱり風邪かしらん。夕食後、少し強めの風邪薬を服用。多少は体が軽くなったか。
 ものかき関係のお仕事もとりあえず一段落。締め切りまでに最終チェックをして今回のお仕事は完了。でも来月に入るとすぐに次のお仕事がくるんですよねえ。
 作家の長部日出雄さんの訃報 に接する。享年84。死因は虚血性心不全。
 私は長部さんの熱心な読者ではなかったけれど、アンソロジーなどにおさめられたいくつかの短編を読むたびに、青森の風土と京都や大阪の風土との違いを常に感じさせられたものだ。影の深さ、暗さみたいなものを意識せざるを得ない独特の風土。そんな空気を漂わせた短編を読むと、「日本」という国はやはり本来一つのものやなかったんやなあと思わずにはいられなんだものです。
 沖縄を舞台にした小説ともまた違う。沖縄、いや琉球はやはり異国なんやとはっきり感じられる。そやけど長部さんの描く青森は、異国のようで異国でなく、異国でないようでやはり異国という、征服された時期から長くかかって同化していった土地の陰影みたいなものを突きつけてきたように思う。
 そしてそれは全国的に平準化していく現代ではもう書かれることのない世界、なのかもしれんなあ。
 謹んで哀悼の意を表します。

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