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大林宣彦の死 [追悼]

 今日は六七日忌の法要で、午後から実家に日帰り帰省。戒厳令のせいで、大阪-京都間の阪急電車はがらすき。楽に座れるのはありがたいけれど、できれば外出は控えたいんやから、ちょっと複雑な感情。
 お寺さんの読経の間、正座をしているのが辛い。さすがにまだ先週痛めた足には痛みが残っている。今日はあわてて立たず、お寺さんの見送りは妹たちや妻にまかせる。
 来週の四十九日忌の法要はお寺まで行き、本堂は椅子なんで、こんなに苦しい思いで正座するのも今日でしまいか。新型コロナウィルス禍の影響で、法事の参列者はごく少数。一応来週で一区切りつく。やれやれであります。あとは百か日忌に納骨、そして一周忌。その間に相続の問題やらなんやら片付けんならんことはまだまだある。
 人が一人死ぬというのはほんまに大変なことなんやと痛感するね。
 帰宅後はへたっておりました。実家に帰って読経を聞くだけでもけっこう疲れるもんなんでありますね。
 映画監督 大林宣彦さんの訃報に接する。享年82。死因は肺癌。ずっと癌と戦いながらそれでも映画をとり続けての逝去やった。
 大林さんの名前を初めて聞いたのは、映画第一作となる「HOUSE」を監督するという時やった。テレビCMの売れっ子監督がついに銀幕進出というので話題になったのですね。ステンレスのお風呂の宣伝で「おさかなになった、わ、た、しー」というのとか、覚えたはりますか。あれがCM監督としての代表作ですね、確か。間違うてたらごめん。
 で、CMでも起用していた大場久美子さんを主演にした「HOUSE」を見に行った。実はあまり面白いと思わなんだ。ホラーにしたいのか、コメディにしたいのか、どっちつかずやったという印象がある。小林亜星さんが最後バナナになっていたシーンとか、狙いがようわからなんだ。それから「ねらわれた学園」も見に行った。これもどっちつかず。手塚眞さんがヒロインの薬師丸ひろ子さんに「僕は君には負けないからね」というようなセリフを言うんやけれど、なんか変な発声で笑いをとりたいのかと思うたけれど、笑いをとる場面でなし。敵役の峰岸徹さんが「見ろ!」とか言うて変身したら、腹にでっかい目玉が描いてある。笑いをとりたいのかどうなのか。
 転機になったのは「転校生」。これは今でも大林監督の最高傑作やと思う。小林聡美さんの体当たりの演技が素晴らしかった。尾道を舞台にした映像美も特筆もの。このあと「時をかける少女」、「さびしんぼう」の「尾道三部作」があれば、それでええ。実はそれ以降の作品は見てへんのですね。そやけど自ら再映画化した「転校生」などの「新・尾道三部作」は正直昔の私の持っていたイメージを壊したくないんで、テレビで放送してもDVDが出ていても見る気にならなんだのです。それくらい小林聡美の「転校生」は大好きな作品。「尾道三部作」を撮ったということだけで映画史に残る名監督になったと思います。
 そやけど、これを機に「新・尾道三部作」がテレビ放送されたら録画してみてみようかな、なんて思うてます。
 謹んで哀悼の意を表します。

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