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お勝手のあん [読書全般]

 今日は昭和節。完全休養日であります。明け方、息苦しくなり、通常の一時間前くらいに起きる。いや、新型コロナウィルス感染やないと思います。ここのところ鼻の調子が悪く、鼻ポンプが強く空気を送ってきて、思わず口で息をしてしまい、目が覚めたのです。もっともその時に見ていた夢は知り合いがコロナ感染して濃厚接触者とされてしまい、職場や自宅が消毒されるというようなもの。難儀な夢です。
 鼻の調子が落ち着いたらまた寝ようと思うていたけれど、その時分には通常の起床時間になっていたので、そのまま録画した深夜アニメやら「100分de名著 ピノッキオの冒険」を見たりして過ごす。午前中は録画しておいた世界遺産番組や落語のダビング。昼食後、少しパソコンをいじってから午睡。夜は妻とこれも録画しておいた「刑事コロンボ 死者の身代金」を見る。シリーズ化される前のパイロット版で、チリばかり食べるとか、ボールペンをすぐになくして犯人から借りるなどの設定はもうできている。視覚効果にやたら凝ってみたりするあたりはまだ演出方法がかたまってへん感じ。心理的に犯人を追いつめるあたりはみごとやけれど、ラストの切れ味はあまりよくなく、これは初期のコロンボすべてに言えることではある。コロンボは第2シーズンあたりが一番充実しているかな。犯人の声を当てているのが山東昭子。まだ政治家になる前なんですね。
 ニュースでは学校の9月始業についてあれこれと特集している。うーむ、新型コロナウィルス禍の長期化が思わぬ方向に転がっていってるなあ。現場としては、何の準備もなくいきなり制度が変わったりすると混乱のもとになる。こういう状況に乗じて社会の仕組みの根幹にかかわるような変更(改革?)を無計画に進めるのはいかがなものか。これこそ時間をかけてじっくりと計画し、変更すべきものやないか。言いだしっぺは大阪府知事。この前は夏休みも土日もなくして授業をさせるとか言うてた舌の根も乾かぬうちに思いつきでそういうことを発案するのはやめていただきたいものです。
 柴田よしき「お勝手のあん」(ハルキ時代小説文庫)読了。口入屋が男の子と間違えて女の子を連れて来たのを、旅先で出会った旅館の主人が江戸品川宿に連れて帰り、奉公させる。女の子の名前は「やす」。タイトルの「お勝手のあん」は「赤毛のアン」のもじりなんですね。で、やすは持ち前の嗅覚のよさと料理のセンスを発揮し、板前に可愛がられ、いつかは料理人として独り立ちしたいと願うようになる。ここらあたりの成長物語も「赤毛のアン」を思わせる。ただし、この作品では柴田さんらしい「女性が自分の力で生きていく」というデビュー当初からのテーマがちゃんと受け継がれている。初の時代小説にミステリタッチのものではなく人情ものをもってきたのは意外やったけれど、そこかしこに柴田さんらしさが見える。時代は幕末。安政の大地震などの描写もあり、シリーズ化が予定されているようなので、激動の時代に年頃のやすがどう生き抜いていくのかが楽しみ。

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