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プロジェクトぴあの [SF]

 今日はテレワークで自宅勤務。通勤時間の1時間半分は先週の連ドラ「エール」を見る時間に費やす。出勤のタイムカードのかわりにテレワーク開始メールを送らんならん。勤務開始時間の8時半までに出さんとあかんかったのに、ついうっかり忘れてしまい、20分ほど遅れて送信。もしかしたらその分明日出勤したら時間休を取るように言われるんやないかと、気の小さい私は今から戦々恐々としております。
 というわけで、午後7時まで教材研究。ずっと8時間ひたすら休まずプリント作成、なんてことはしてませんが、ネットを使い資料集めなど。時折休憩をはさみ、読書などなど。何度か奨学金担当者から問い合わせの電話がかかってきた。思い当たる範囲で答える。学校ではどうしようもなく、育英会や学生支援機構に問い合わせた方がええというようなケースで、もし私が担当を続けていたら、生徒や保護者から問い合わせの電話があった時点で即答できていたもの。ただ一人に任せきりにしていたせいで担当者を変えたら突如つまってしまう。あかん組織の典型で、前校長まではそれを放置していたんやからねえ。
 夕刻5時過ぎにはテレワーク終了のメールを送信。他の業種はどういう形でテレワークをしてるのかなあ。
 夜は妻と録画したアニメなどを見て過ごす。明日から3日ほどまた通勤電車に乗らんならんかと思うと気が重いなあ。総理のように優雅にペットと戯れたり読書したり午後のコーヒーを楽しむようなテレワークをしてええならなんぼでもやりますのやけれどね。
 山本弘「プロジェクトぴあの 上・下」(ハヤカワ文庫JA)読了。マッドサイエンティストの進化形がここにある。旧来のマットサイエンティストは禁断の科学に手を染め、人々に害をなす奇怪な老人というイメージやけれど、本書に登場する結城ぴあのは秋葉原でパーツをあさる時はノーメイクのぼさぼさ頭。しかし実はアイドルユニットの一員でもある。アイドル活動は研究費を集めるためにしているというユニークな設定。彼女の数少ない理解者は貴尾根すばるという大学生の男の娘。ゴスロリスタイルで女装する彼を、ぴあのは女の子と思いこむくらい、人間に関心がない。あるのは宇宙の果てに自力でいきたいという思いだけ。ぴあのとすばるはついに物理法則をねじ伏せて永久運動エンジンの開発に成功する。その過程がまた緻密に書かれているけれど、それでも作者は本書を小難しい理屈だけを並べたものではなく、マッドサイエンティスト少女があらゆる困難をすりぬけていくエンターテインメントとして仕上げた。これはちゃんとしたハードSFやけれど、現代から未来に続くAIやVRなどが発達した社会背景や、登場人物の心情を丹念に描くことにより、ハードSFが苦手という人でも楽しめるようになっている。宇宙に恋をした天才少女の科学冒険譚の傑作。残念ながら、作者はあとがきで病気が原因でもうハードSFは書けないと告白している。なんと残酷なこと。

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