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おばちゃんたちのいるところ [読書全般]

 今日は「たちよみの会」例会。山ほどある土曜深夜のアニメは先に見ておきたいものだけ選んで見、「仮面ライダーリバイス」「ドンブラザーズ」も高校野球中継で飛んでいた分も放送されたんやけれど、1週分だけ見、少しだけパソコンに向かい、11時頃に出かける。
 今月は「フランソア喫茶室」はかなりすいていて、もう少し長居してもよかったかなというくらい。古参会員Y氏とあれこれ情報交換。私と妻に本をくれる。予定通り早目に店を出たら、外は本降り。折り畳み傘を持っていっていてよかった。なるべく雨がかからんように河原町通りのアーケード下を通って「丸善」へ。新書と文庫を数冊買う。ビルから出たら雨はやみ、雲の切れ目から日がさしていた。
 話し足りんというわけで、「上島珈琲」でしばらく雑談してから、散会。
 帰宅後、録画していたデーゲーム中継を見る。東京ドームはデーゲームかナイターか区別がつかん。6時ごろから見始めたので、まるでナイターをリアルタイムで見ているような感覚。BS日テレのサブチャンネルの録画なんで、試合終了までしっかりと録画されていた。試合はジャイアンツに3連勝。タイガースが強さを取り戻したんか、単にジャイアンツが弱いんか。ひとつだけ言えることは、ジャイアンツ打線は走者を進塁させたり、投手を攪乱したりということを一切やらんということ。タイガースがとにかく隙あらば盗塁したり中野や島田がセーフティバントをしてみたりヒットエンドランを仕掛けてみたりとあの手この手で相手投手を攻略しようとするのを見慣れているから、ジャイアンツの打者が漫然と打席に立って好き勝手に打っているようにしか見えんのです。以前は原監督は四番打者に送りバントを命じたりしていたのに、そういうことは一切しないようになった。なんでやろ。
 試合終了後、社説のダウンロードや読書。さて、明日からいよいよ出勤。明日は会議だけの予定なんで、リハビリみたいな感じかな。
 松田青子「おばちゃんたちのいるところ」(中公文庫)読了。「世界幻想文学大賞短編部門受賞」作品。でも、内容はというと、幽霊と人間が同居する日常を当たり前のように淡々と語ったもの。一応独立した短編集なんやけれど、ところどころ、他の話に出てきた人がちらりと登場したりしていて、全体を読めばなんとなくつながっている連作のようにも読める。非常に不思議な感覚の作品なんやけれど、登場人物があまり社会になじめないという点がどの短編でも貫かれている。それでも、この社会から完全に逃避しているわけではなく、それなりに接点を持ち、折り合いをつけている。さらに興味深いのは、それぞれの短編が落語や歌舞伎などを下敷きにしているということ。ただし、それは題材の一部を借りたりしているだけなんで、元ネタを知らんでも十分に楽しめる。巻末にそれぞれの元ネタを書いてあるけれど、「そう言われたら、そうか」という程度。逆に解説者が元ネタを知らんみたいなのも面白い。落語の「皿屋敷」が元ネタになっているのに、怪談の「番町皿屋敷」と誤解してるみたいなことを書いていて思わずにやり。らくごの「皿屋敷」を下敷きにしてるから、お菊さんが皿を10枚まで数えても何も悲劇的なことは起こらないのですよ。とまあ、解説にまで突っ込みをいれられるお得感がある。ほんまか。作者は兵庫県生まれで、姫路城が舞台になった話もあったりしている。関西人やないとわからん笑いのニュアンスみたいなものが全体に流れているようにも感じられた。多少読み手を選ぶ本かもしれんけれど、私はとても楽しく読みました。そやからというて癒されたりとかいう次元の安っぽさがないのがええなあ。

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薬品の出荷制限 [日常生活]

 今日は月例の京都の医者行き。朝はアニメと「平家物語」を見てからパソコンに向かい、昼前に出発。雨が降るかもという予想やったので折り畳み傘を用意して行ったけれど、降られることなく終わり、ほっとする。とはいえ暑いのは暑い。
 往復の阪急の特急は比較的すいていて、座ることができた。医院の待ち合いもすいていて、思うていたよりも早く診てもらえた。処方箋を持って調剤薬局に行く。いつも出してもろうている薬に出荷制限がかかっていて、取り寄せるにも1ヶ月はかかり、しかも処方されただけの量が入ってくるかどうかもわからん、とのこと。それは困る。2週間弱の余分はあるけれど、薬が切れると非常に辛い。ジェネリック薬品なら間に合うと言われる。薬というのは配合のバランスで効き目が違うたりするんで、ほんまはジェネリック薬品よりもいつも服用している先発の薬品の方がええんやけれど、完全に切れてしまうよりもましやと思い、今月はジェネリック薬品で辛抱することにした。
 後でネットで調べたら、薬の原料がジェネリック薬品に流れて、先発の薬品にまわってこないというようなことが起きている、らしい。なんでそんなことになってるかは私がアホなんで理解できてへんけれど、とにかく薬品の原料不足という事態になっていることだけは間違いないようです。先にも書いたけれど、ジェネリック薬品は主成分が同じというだけで、薬品会社によって配合が微妙に違う。先発の薬品と同様の効果になるかは服用してみんとわからん。ちなみに内科で処方してもろうてる血圧や鼻炎の薬は最初からジェネリック薬品なんでたぶん不足してへんと思う。
 帰宅後、少し午睡。夕刻起きてきて、デーゲーム中継を追っかけ再生で見る。BS日テレのサブチャンネルなんで、おそらく放送延長の枠内で完全中継できると思うので、安心して午睡していたのです。
 試合は今季不運にもリリーフの失敗などで3勝は損してる藤浪投手が、やっとこさ初勝利。藤浪晋太郎が好投し、サトテルがホームランを打って勝つ! なんて理想的な試合。こういう勝利は必ずやチームを乗せていくに違いない。
 試合終了後、夕食を取り、社説のダウンロードなどをする。今日は読書は進まず。京都行きの車中も読みかけの雑誌を読んだりしていたしね。

 明日8月21日は「たちよみの会」例会の予定です。ただし、新型コロナウィルス感染症第7波真っ最中なので、今月も13:00~14:30の短縮版で行いたいと思います。ご参加お待ちしています。

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スポーツとしての相撲論 [読書全般]

 今日は定休日。朝は少しばかりアニメを見てから、「平家物語」の今朝放送された「栄華編」を見る。頼朝の出兵から富士川の戦いまで。明朝はまた2回分放送される。今後は見られる時に少しずつ見ていくことにしよう。なんで今ごろ「平家物語」の再放送なんてやるんかなと思うていたら、ちらりと北條義時が登場した時にピンときた。「鎌倉殿の13人」との連動企画なのかもしれんな。あとはアニメの「平家物語」に対抗して、昔我らもこんなすごいの作ってたんやぞ、とかいうプロデューサーがいたりとか。
 パソコンに向かうた後、無性に眠くなり、昼食前に少し寝る。昼食後、少し本を読んだりしたあと、午睡。
 夜はBS日テレでナイター中継を見る。西勇がジャイアンツ打線を完封。見どころは1点リードのみで迎えた8回表の西勇の打席。完封目前なので、2球目までは打席の後ろに立って全く打つ気を見せずにいて、3球目に相手投手のクロールが安心して甘い球でストライクを取りにくるところを狙い撃ちしてヒットで出塁。この回の先頭打者やっただけに、これは効いた。この回タイガースは3点入れて勝利を確定させた。この駆け引きこそプロの妙味。高校野球では見られんプレーですね。高校野球やったらこんなことをしたら審判に注意されるかも。
 西尾克洋「スポーツとしての相撲論 力士の体重はなぜ30キロ増えたのか」(光文社新書)読了。著者はネットのスポーツ専門ブログ出身のライター。記者出身やない新鮮な視点で相撲を見てくれてるんやないかと期待して読んだ。内容は、相撲を見始めた人からよく聞かれるような質問を30問用意し、それに答えるという構成になっている。「白鵬がこれほど長い間、これほど強い理由を詳しく知りたいです。いくらなんでも強過ぎませんか?」なんていう感じ。どう答えているか興味深く読んだけれど、身体的要素、技術的要素、精神的要素が他の力士より上回ってるから、というような回答になっていてがっかり。もっと新鮮な、あるいは奥深い回答を期待していたのになあ。というわけで、30問ほとんどが常識的な範囲での回答におさまっていた。まあ、入門書としてならこれでもええか。ならばタイトルを「スポーツとしての相撲論」なんてのにはすべきやなかったと思う。「初心者のための相撲Q&A」としておくべきやった。実際、「スポーツとしての相撲」など一切論じてへんしね。不遜かもしれんけれど、この程度の内容なら私に書かせてほしかったと思うくらい。冗談抜きで。これならば、著者がライターになるきっかけになった幕下力士に関するブログを一冊にまとめた方がよかったんやないかと思う。私なら、そちらが読みたい。相撲を見始めてあまり間がないという方にはお薦め。コアなファンには物足りないと思う。

 8月21日は「たちよみの会」例会の予定です。ただし、新型コロナウィルス感染症第7波真っ最中なので、今月も13:00~14:30の短縮版で行いたいと思います。ご参加お待ちしています。

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黄色いアイリス [読書全般]

 今日も夏季特別休業。これで私の盆休みは全部消化されました。
 昨日の深夜アニメは数が少なかったので、朝食後はただいまNHKで集中再放送中の「人形歴史スペクタクル 平家物語」の再放送をまとめて見る。「第一部 青雲」全12回を一気に見てしまう。1993年放送ということで、ちょうど私と妻が結婚した年の放送。とてもNHKの人形劇を見ている余裕がなかったのですね。川本喜八郎さんの人形も、衣装から小道具、セットに至るまで、実に手のこんだもの。ストーリーは吉川英治の「新・平家物語」を原作にしている。これを早朝4時20分から2回分ずつ毎日再放送しているのですね。あっという間に録画がたまり、HDDレコーダの容量を圧迫してしまう。まずは私が先にまとめて見てしまい、後から妻が見て削除するという感じになるかな。
 その後はパソコンに向かい、それから読書。
 昼食後は午睡。私が寝ている間に妻は日帰り帰省。夕刻起きて、数日ぶりに外出。毎日食っちゃ寝してるのはいかんので、近くのコンビニまでタバコを買いがてら少しばかり歩く。帰宅後、ラジオでナイター中継の最初の10分だけを聴き、それからテレビに切り替え。今日はカンテレの放送で、6時すぎから9時前までの中継。テレビの放送時間が終わり、ラジオに切り替えたくらいに妻が帰宅。私はそのまま寝床でラジオ中継を最後まで聞く。ええ場面はDAZNで補う。
 試合終了後、少しばかり読書。
 アガサ・クリスティー/中村妙子・訳「黄色いアイリス」(ハヤカワクリスティ―文庫)読了。一定の期間に書かれた短編をまとめた短編集。したがって、ポアロ5編、パーカー・パイン2編、ミス・マープル1編、ホラー短編1編となんかごった煮の感じがする。パーカー・パインに関してはこの前読んだ創元推理文庫に収録されているので訳を違えての再読という感じになった。やはりシリーズものはまとめて読んだ方がよいね。ハヤカワ文庫版やとばらけて読まんならんからね。一応目当ては「ミス・マープルの思い出話」で、これは人間の心理の隙をついたトリックでなかなか面白かった。ポアロものでは表題作「黄色いアイリス」が容疑者を引っ掛けて犯罪をバラしてしまう手口が面白かった。ポアロに関しては出来不出来のばらつきがあって、ポアロものが好きな人はそれでもええのかもしれんけれど、ね。
 マープル読みたさに読んでみたんやけれど、マープルものの短編は他の短編集にもばらけて収録されていたりするので、できたら日本のオリジナル編集でポアロはポアロ、マープルはマープルとまとめてほしいところですね。パーカー・パインは創元推理文庫版みたいにまとめて再編集することができてるんやから、ポアロやマープルでも不可能やないはず。クリスティーが大好きという方はともかく、まだ読んだことがないので手始めに短編集から読み始めようなんて考えている方にはあまりお勧めできません。
 ちなみにホラー短編はあまりにも不出来。クリスティーは幻想的な話はあまり得意やなかったんやろうと感じた。

 8月21日は「たちよみの会」例会の予定です。ただし、新型コロナウィルス感染症第7波真っ最中なので、今月も13:00~14:30の短縮版で行いたいと思います。ご参加お待ちしています。

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仮面舞踏会 [読書全般]

 今日は夏季休業日。まだ私は盆休みの最中なのです。
 深夜から明け方まで豪雨。日中も曇天と豪雨の繰り返し。夜になったらなったで雷雨。気温はぐっと下がり、冷房をつけたような状態。昨日までの蒸し暑さとはうって変わって寒いくらい。夜は鼻水とくしゃみで苦しむ。ちゃんと鼻炎薬を何種類も服用しているのに、どれも効き目がないとはどういうことですか。
 午前中は録画したアニメと映画のDVDを見てからパソコンに向かい、昼食まで少し読書。昼食後は読書と少しだけ午睡。とにかく涼しいというか寒いくらいなので、読書には最適やったかも。
 夜はBS1でナイター中継を見る。スワローズの村上宗と山田、タイガースの佐藤輝のホームランだけしか得点なし。どちらも連打連打で得点でけへんという現状がはっきりしてる試合やった。大山、中野、早よ帰って来てくれい。近本はまだ少しかかるか。厳しいなあ。で、8連敗。
 試合終了後も読書。
 横溝正史「仮面舞踏会」(角川文庫)読了。立て続けに横溝を読んでたけれど、ちょっと間をあけた。同じ作家ばかり立て続けに読むというのもええけれど、私の場合はいろいろな作家の本を取りまぜた方がええみたい。
 本書は戦後、社会はミステリの台頭でしばらく出版が途切れていた作者が久々に出した長編。本書のあと、角川映画によるブームが巻き起こるまで、また間があくことになる。
 舞台は1960年ごろの軽井沢。鳳千代子という銀幕の大スターは、結婚と離婚を繰り返す。最初の夫がプールで変死体となって発見され、さらには3番目の夫が青酸カリによって毒殺され、4番目の夫は行方不明。5番目の夫となろうとしている財界の重鎮は金田一耕助に謎の解明を依頼する。登場人物が多く出てきて、それぞれに関係があり、その人間関係のからみ方で読み手を惑わせる。高度経済成長期を舞台にしているけれど、作者らしく旧華族の血統や戦時中の混乱などが事件にからんでくる。トリックなどよりも、登場人物それぞれの背景が主題になるあたりが作者の真骨頂。ただ、やはり時代は松本清張を中心とした社会派ミステリなのに、どうしても呪われた人間関係が中心になってしもうているあたり、作者は苦しみながら書いたんやなかろうか。死後、創作メモや草稿が発見されて話題を呼んだけれど、その苦心ぶりが残されているという。その分、細かいところまで書きこまれ、非常に読みごたえのある作品になっている。全盛期の猟奇的趣味や、人目を引く死体などがない分、地味な印象は免れんけれどね。まさか本作を書いてから10年以上もたって日本中を巻き込む大ブームが起こるとは、横溝先生、多分予想もしてなんだやろうなあ。

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皇国史観 [読書全般]

 今日は定休日。昨夜録画した深夜アニメは少なめやったので、そのあとは映画のブルーレイを見る。生徒に見せたいと思いつつも、あまり趣味に走り過ぎてもいかんし、難しいところです。
 そのあと、パソコンに向かい、しばらく読書。
 昼食後は午睡。夜も蒸し暑く寝苦しかったけれど、昼も風があまり通らず寝苦しい。夕刻起きて社説のダウンロードや読書の続き。
 夜はBS1でナイター中継を見る。先先週、急遽放送が決まったスワローズ戦。その時点ではタイガースに勢いがあったけれど、まさか1週間でこうも形勢が変わるとはね。エース青柳は明らかに球威不足。夏場になると毎年へばる傾向にあるけれど、今年もそんな感じになってきた。打線は少しつながり、最終回には一打同点というところまで攻めた。大山と中野が一軍合流とのこと。急ぐことはないけれど、復帰近し、か。
 片山杜秀「皇国史観」(文春新書)読了。前期水戸学がなぜ天皇を将軍の上に置いたかという理由を考察するところから始まり、後期水戸学の尊王が攘夷と結びついた理由、明治政府で伊藤博文と山形有朋が天皇の扱いについて対立した理由、儒学と国学が皇国史観に与えた影響、天皇機関説事件の背後にあったもの、戦後の皇室を支えたもの、昭和と平成の2つの「玉音放送」の持つ意味、など様々な視点から「皇国史観」とは何かを問う一冊。本書を読むと、「皇国史観」は単純に「天皇陛下万歳」だけやないことがわかる。北朝の天皇をいただきながら南朝正統を解く矛盾も、本書を読むとある程度理解できる。そやからというて著者はその矛盾に対して解答をはっきりと出しているわけやない、というか出しようがないんやけれど。日本に天皇が存在する限り、「皇国史観」は存在する(ただし、多種多様に)という結論には本書を読みとおすことによって納得させられる。ウヨクとかサヨクとか関係なく、歴史的な事実を押さえて「皇国史観」とは何かを読み手に考えさせる興味深い一冊でありました。

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パーカー・パインの事件簿 [読書全般]

 愛すれどTigers「主力が離脱し打線停滞で6連敗」を更新しました。

 今日は夏季特別休業。つまり盆休み。先週火曜からずっと出勤してへんけれど、実はまだ盆休みは取ってなかったのです。定休日を除き、出勤日には人間ドックや祝日が重なり、出勤日がうまいことなくなっていたというわけ。
 というわけで、例によって朝からアニメを見たり、映画のブルーレイをちょっとだけ見たり、パソコンに向かうたりして午前中を過ごす。昼食後、少し読書をしてから午睡。夕刻起きて読書の続き。今日はプロ野球中継もないので、夕食までずっと読書。食後も読書。もっとも蒸し暑くて外に出る気も起こらんし、用事もないし。
 アガサ・クリスティ/山田順子・訳「パーカー・パインの事件簿」(創元推理文庫)読了。ここに来てクリスティに目覚めた、というわけではないけれど、ちょっとまとめて読んでみようかな、という感じですね。本書は昨年出た新訳版。ハヤカワ文庫版では他の短編集に収録されている「パーカー・パイン」2編も収録した“完全版”。つまりハヤカワ文庫で既発の「パーカー・パイン登場」は原著通り12編しか収録されてへんけれど、本書なら14編全て読めますよ、というのが売りなんですね。クリスティはかなりハヤカワ文庫が版権独占してるから、新訳できるものはちょっとでもお得感を出さんと営業面で不利やもんね。
 パーカー・パインは新聞広告で「幸福でない方はご相談ください」と宣伝する事務所の所長。もちこまれた不幸を、スタッフを使うてあの手この手で幸福にしようという、一風変わった趣向のシリーズ。ひねりが効いていて、楽しめる。特にこのシリーズを書くきっかけになったという「大富豪夫人の事件」は、金も暇もあり過ぎてどうすればよいかわからんという贅沢な相談主に驚くべき仕掛けで幸福感を味わわせるというもので、これが秀逸。ウソの不幸を持ちこんだ相談主には逆手にとってたくらみを失敗させたりもする。後半はパインが中東に旅行に行き、その先で起こった事件や相談に対処するというもので、せっかくの「幸福相談」という設定を使うてへんのが残念。パインでなくてもええやん、という事件もあり、解説を読むとポアロものとして書かれたけれど、発表時や単行本収録時にパインに変えたものもあるとか。
 とはいえ、どの短編もわさびがよく効いていて、ミス・マープルとはまた違う“黒いクリスティ”を堪能できました。

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成績順位貼り出し [教育]

 朝、昨日録画した深夜アニメを見ていたら、「継母の連れ子が元カノだった」というアニメで、廊下に中間テストの結果の順位を貼り出してあるというシーンがあった。「カッコウの許嫁」というアニメでも学年での試験の順位を貼り出すという場面があった。これら以外にも時々アニメにはこういう場面があるけれど、私の教員生活の中で、そんなことはしたことがない。見たこともない。だいたい、テストの点数なんてものは個人情報なんで、テストを返却する時も他の生徒になるべく見えんようにする。クラスのトップは何点やったかなんてことくらいは言うこともあるけれど、それが誰かは絶対に言わん。
 本人の了承を得ているならばともかく、無条件で順位を貼り出すということが人権上許されるやろうか、と思う。個人情報の保護という観点から言うても、こんなことは許されんと思う。ただ、アニメ原作の漫画やラノベの作者は、自分個人の体験をもとにそういう場面を出しているのかもしれん。とすれば、私学や進学校などではこういうことを今でもやっているんか。そこらあたり、公立の進学校でもない高校と知的障碍の特別支援学校、公立の中学校、定時制高校という経験しかない私にはわからんのです。
 もし私学などで定期考査ごとに順位を貼り出しているというような例をご存知の方は、ご教示いただくとありがたいです。
 私にはこういった場面、違和感しかないのでね。
 アニメのあとは例によってパソコン。昼食後は午睡。思うてたより長いこと寝てしもうた。昨日の墓参の疲れが出たかな。
 夜はサンテレビのナイター中継。同点で迎えた9回表にクローザーの岩崎投手が打たれてタイガースは今週は6連敗。主力が離脱し、それに代わる活躍をする選手が出てこない。きついですねえ。

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藤子不二雄論 [読書全般]

 今日は早目にアニメを見たりパソコンに向かったりしてから、10時頃に墓参に行く。気象情報では台風接近で雨天とのことで、カバンに折り畳み傘をいれたりして行ったけれど、雨天どころかカンカン照り。往復の阪急の特急は座れて快適やったけれど、京都河原町で地上に出たら蒸し蒸しと暑い。東山の墓地についたころには汗だく。いやいや汗だくというような生ぬるいもんやない。汗でずぶぬれ。
 墓に手を合わせ、帰る途中でTシャツを着替えたけれど、すぐにずくずくになる。で、昼食を取るのに「すき家」に入ると冷房で汗が冷えて寒い。帰阪する時の電車内も空調が効いていてひんやり。地下鉄の駅から地上に上がったらまたこれがカンカン照り。帰宅してすぐにシャワーで汗を流す。お湯のスイッチを押さず水シャワーを浴びたんやけれど、給水タンクが温もっていたんやろう、生ぬるいというか、やはり温い。ほてった体を冷やすこともかなわず、そのまま午睡。
 夕刻、しばらくラジオでナイターを聴く。今日のテレビ中継はMBSで、なぜか今回はサブチャンネルを使用しての延長はなく、7時から9時のみの放送。困ったものです。せっかくやればできるとほめたのになあ。9回裏からはまたラジオ。今日も打線は振るわず好投の藤浪を見殺し。藤浪は3勝くらい損をしている。今季の藤浪はついてへんとかいうレベルやないですね。
 試合終了後、少し読書。時々うとうと。
 米沢善博「藤子不二雄論 FとAの方程式」(河出文庫)読了。私たち古いファンにとっては「二人で一人の藤子不二雄」というのは当たり前の認識で、著者はそれを「白い藤子」と「黒い藤子」と表現している。実に的を射た表現で、私も「ドラえもん」などの藤子と「魔太郎がくる」などの藤子はそれぞれ別の漫画家やという認識を持って読んでいた。二人で一人という特殊な形で、しかも例えば原作と作画の分担とかいうのではなく明らかに別々に書いているのにずっとひとつのペンネームを使うていたのに、突如FとAと分裂してしもうた。著者は、明らかに合作である「海の王子」を例にとり、二人の個性のぶつかり合いが生み出した作品の可能性について論じている。そして、結局分裂したのはなぜかも考察する(きっかけは「ドラえもん」ブームと著者は断じている)。手塚治虫や石ノ森章太郎を論じた本は数多く出ているが、実は本格的な藤子不二雄論というものは著者が本書を書くまでなかった。そういう意味でも貴重な一冊。著者にはもっといろいろな漫画家について論じてもらいたかったのに、早逝が惜しまれる。生前の藤子不二雄Aさんが特別寄稿としてあとがきで「私達“藤子不二雄”を論じた唯一の本」と書いている。漫画ファンならぜひ読んでおきたい一冊やと思うた。

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怪談・すっぽん駕籠 [読書全般]

 今日は定休日。昨夜録画した深夜アニメを見たり、映画「ひまわり」(字幕スーパー版)をブルーレイにダビングしたりしながら朝食。その後、パソコンに向かう。無性に眠くなり、寝床に。午睡の前倒しをする。
 昼前に起きる。新しい洗濯機を配達しに来てくれはってすぐに設置してもらう。その後昼食。食後は午睡の続きのつもりやったけれど、眠くならなんだのでずっと読書。
 夜はナイター中継。今日はサンテレビ。解説は掛布さんと濱中さん。掛布さんの解説をローカルで独占して聴けるんやから、ほんまに贅沢です。試合は……とにかく打てん。ドラゴンズ大野投手の前に完封負け。いつまでロドリゲスを三番打者で起用するのか。きょうなんか2つも併殺打。ロハスJr.が調子を上げてきているんやから、使うたってやとか思う。
 試合が早く終わったので、またしばらく読書。
 台風が近づいてきている。近畿には接近してこないみたいやけれど、明日は雨模様。ベランダに出ると風が強くなってきてますね。
 田中啓文「貧乏神あんど福の神 怪談・すっぽん駕籠」(徳間文庫)読了。シリーズ第2巻。今回は駕籠屋の良太と牛次郎が初登場。すっぽんの化身を名乗る客を乗せてしまい、その客が水死体となって発見されたために、駕籠屋に嫌疑がかかる。絵師の幸助とお福旦那が協力して事件を解決する「駕籠屋怪談」、嬢さんの病の原因を丁稚の亀吉たちが探り出そうとする「千羽鶴の謎」、偽作の掛け軸をつかまされてしまう事件が続発。幸助の兄弟弟子が事件に関わっていることから偽作事件を幸助とお福旦那が解決に乗り出す「怖い絵」の3編を収録。前作と同様、「読む落語」という感じの連作に仕上がっている。時代小説としても、ミステリとしても手堅くまとまっている。とにかく田中さんの時代小説のシリーズは外れがない。ただ、このシリーズは手堅過ぎて大当たりもないという感じがするので、今後はお福旦那の正体などがあかされていくとこらへんを楽しみにして待ちたい。ここまで正体を明かさんからには、落語ファンもうならせる「サゲ」があるに違いないと期待してますよ。

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