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量子魔術師 [SF]

 今日も冷え込む一日。試験監督に行く前に昨日準備した奨学金書類不備の督促状を試験問題置き場に持っていったりする。自分もひとコマ目に監督が入っているので、廊下を走り回って配布するというわけにはいかんのです。
 午後からは提出書類の作り直しやとか、成績伝票の出欠記録の確認など、ひたすらパソコンの前に座って作業。定時に退散。帰宅後は夕食時にサンテレビ「熱血! タイガース党」を見たりする。今週のゲストは能見投手。15年前の新入団選手発表のビデオが流れ、若き能見投手は「目標とする選手はいませんが、目標とされるような選手になりたい」と言うてます。そして今や若手投手の目標になってます。これぞ有言実行! 今年の新人では西純矢投手が「沢村賞」を目標にしていると答えていた。能見さんみたいに有言実行を頼みまっせ。
 デレク・クンスケン/金子司・訳「量子魔術師」(ハヤカワ文庫SF)読了。読み始めてから1週間近くかかってしもうた。ストーリーはおもしろい。遺伝子操作で量子解析力を持つ「ホモ・クアントゥス」として生まれた主人公ベリサリウスは、研究所から脱出して今は詐欺師をしている。彼は宇宙戦艦隊をワームホール・ネットに通す仕事を依頼される。やはり遺伝子操作から産まれたパペット族や爆弾魔の元軍人、詐欺師の師匠など様々なメンバーを集め、ベリサリウスは作戦を実行する。
 裏表紙の作品紹介に「世紀のコンゲームに挑む」とあったので、楽しみにして読んでみたんやけれど、金持ちのカモを引っ掛けてだますような話を「コンゲーム」というんやとばかり思うていたら、どうやら私の認識は間違うていたらしい。依頼主をだまして、依頼を果たすと同時に依頼主も知らないお宝を手にしようとする……これって「コンゲーム」というのかな。ちっともスカッとしないんですけれど。バラエティに富んだメンバーが縦横無尽に活躍するあたりは面白く読んだんやけれど、私が「コンゲーム」に期待していたのとはちょっと違うた。あ、作品紹介で読者をだます「コンゲーム」なのですね。それは違うか。実は読了するのに時間がかかったのは、訳文が直訳調で日本語としてこなれてなくて読みにくいというのが主な原因。頭にすいすいと入ってこないんで、何度も読み返して文章の意味を確認したりしていたからね。訳者には失礼やけれど、ほんまに読みにくかった。あと、登場人物が多いので一覧表がほしかった。そしたらもう少しスムーズに読めたんと違うかな。とにかく映画「スティング」みたいなものを求めて読んだらあかんよ。社会からはみ出すような人たちが大暴れするお話、くらいのつもりで読んだ方がよろしいです。

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