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銀の仮面 [読書全般]

 朝からぱらぱらと降ったりやんだり。それもしっかりした雨やなく、傘なしでもなんとかなるような小降りやったりする。湿度が高いせいか、気温よりも体感温度は低く感じる。
 お山の学校に出勤し、朝一番で奨学金の書類未提出生徒の携帯に電話する。どうやらまだ書類は揃うてへんらしい。保護者に折り返し電話してもらうことになった。待つ間に文書作成や、来年一月の出張届のネット入力など細々とした仕事をする。しばらくしたら保護者より電話がくる。直接支援機構の下請け業者に問い合わせたとのことで、なんでも年を越しての提出でもええとか言われたらしい。
 公式には提出締め切りは12月中旬。提出が遅れる場合はFAXでいちいち届け出んならん。そういう手間を学校にかけさせておいて、保護者からの直接の問い合わせには越年可能やて。なんじゃそら。どちらにしても学校経由やと提出がその分遅れてしまうから、直接業者に郵送していただくように伝える。とにかくこれでその生徒が書類を持参してこないことははっきりした。
 また、来年度の情報リテラシー講演会の講師の方から了解したというメールも届き、これで安心して御用納めとなった。時間休を取り、昼過ぎに退出。明日から冬休みです。帰路、駅前の家族経営の本屋さんに寄って雑誌と甥へのお年玉用に図書カードを購入。帰宅して少し午睡。
 夕刻起きてきて読書。夜はサンテレビ「熱血! タイガース党」を見て過ごす。今週のゲストは近本外野手。福本豊さんからいろいろとレクチャーを受け、コマーシャルの時間が終わり本番が始まっていても福本さんが近本選手に手取り足取り指導。近本選手はほんまに貪欲に食らいついていく。これならば「2年目のジンクス」は心配なさそうですね。
 ヒュー・ウォルポール/倉阪鬼一郎・編訳「銀の仮面」(創元推理文庫)読了。国書刊行会から出ていたものの文庫化。しかも新たに2編短編を新訳で収録というお徳用でございます。表題作は乱歩編「世界短編傑作集」に収録されていて、それが非常に面白かったので、他の作品も読んでみたかった。それだけにこの文庫化は嬉しい。いわゆる「奇妙な味」の短編が13編収録されている。倉阪さんがバランス良く選んだ日本独自の短編集。表題作は、高齢の独身女性が道で出会った空腹の若者をついうっかり助けてしまい、気がつけばその若者は我が物顔で彼女の家に出入りするようになり、やがて若者の妻、親戚なども入りこんできて……という善意からしたことが日常を破壊していく傑作。他の作品も、どちらかというと善良な人物がその善良さゆえにひどい目にあうというものが多く、それもいろいろとバリエーションがあり、いずれも口に苦く後味も悪い。そやのに次を読まずにはいられん。サイコ・ホラーの一言で片づけられん独特の気持ち悪さがある。気がついたら日常から非日常へと迷いこまされてしまい、動きが取れなくなるような作品というてええのかな。何ともいえん味わいで、こういうものを一度書いてみたいけれど、とてもこうは書かれんやろうなあ。小説に爽快感を求める方にはお薦めしませんが、そうでない方はぜひご一読を。いやあ、この気色悪さ、くせになるなあ。

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