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謎のクィン氏 [読書全般]

 朝から昨夜録画した深夜アニメを見る。スマホの充電用のケーブルが傷んで充電できず、妻の充電ケーブルを借りてなんとか充電。
 少し仮眠してから昼前に出かける。再々入院した父の見舞いに上洛。正月、一家そろって祝うことができたらええんやけれど。幸い父は顔色もよく熱も平熱に下がったとのこと。ただまだ絶食していて栄養は点滴でとっている。病院からの帰路、駅前の携帯ショップで充電用のケーブルを買う。Apple純正ではないけれどよいかとたずねられたけれど、そこまでのこだわりはないし、iphoneで使えたらそれでええんで、購入。クレジットカードで払おうとしたら、キャッシュレスはpaypayやないとあかんので現金で払うてほしいといわれる。そこまでpaypay会員を増やしたいかソフトバンク。
 阪急の特急で帰阪。帰宅してから午睡。夕刻起きてきて、妻とアニメなどを見たりして、夕食後は読書。以前の日記に書いたけれど、土日に連続して家でゆっくり過ごせたのはこの半年で1度だけという感じになってしもうた。来週はもう年末年始の休みになるからなあ。
 アガサ・クリスティー/嵯峨静江・訳「謎のクィン氏」(ハヤカワクリスティー文庫)読了。久しぶりに古典ミステリを読もうと手にとった。ご隠居さんといった風情のサターウェイト氏が行く先々で謎のクィン氏に出会う。そこで起こった怪事件に関するヒントをクィン氏があたえ、サターウェィト氏が解決するというパターンの連作短編集。事件は必ず男女の関係が原因となっているもの。サターウェィト氏は人間観察の達人という設定で、ワトスン役とホームズ役をかねるというのもなかなかおもしろいんやけれど、クィン氏の存在がかえって邪魔になっているものもある。また、クリスティがまだ30代で70歳に近い老人男性の一人称で書いている無理があるというようにも感じた。原著のままの形で出版されているため、別の短編集におさめられているクィン氏の登場する作品が収録されてへんのも残念な点かも。そのためにわざわざ2冊もクリスティーの短編集を買い足す気にはならんから、日本独自編集で本書に未収録の2作もおさめてほしかった。特にクリスティー最後の短編になったというクィン氏の最後の短編は入れとかなあかんでしょうと思うね。クリスティーマニアのためだけの文庫やないんやからね。まあ、クリスティー社との出版契約の関係上それは無理なのかもしれんけれど。
 本書からは男女関係の機微というものは残念ながら感じ取れず、クリスティーがオカルトと同様、ロマンスも実は得意やなかったんやないかと感じさせられた。でも好きなのは好きらしく、書きたくなるのですね、きっと。本書の中にも降霊会や占いなどが事件解決の鍵になるものがあったりするけれど、今ひとつ生かし切れてへん。
 ポアロやミスマープルばかり書くのが嫌になって、毛色の違うものを書こうとしたけれど、ご本人が思うほど成功してへんという印象が残りました。やっぱり私は同時代のミステリならばエラリー・クィーンの方が性に合うみたい。

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