SSブログ

銀河帝国は必要か? [読書全般]

 例に寄って月曜の朝から中世ヨーロッパの野蛮人の行状をアニメで見たり、アフリカの生き物たちが社畜になって働くアニメを見たり。
 午前中は授業はひとコマだけ。休憩時間に生徒たちが昨日の「M-1グランプリ」の話をしたりしているけれど、いきなりそこに口をはさんだりしたら驚きよるやろうなあ。午後からは会議。奨学金の説明会を1年の生徒と保護者に年明けにすることになったので、学年主任との打ち合わせをしたりする。定時に退散。
 帰宅後、妻と高校生の女の子たちがビームライフル競技をするアニメを見たりして過ごす。年の瀬が近づいているとは思われん呑気な平日であります。
 稲葉振一郎「銀河帝国は必要か? ロボットと人類の未来」(ちくまプリマー新書)読了。人工知能やロボットと宇宙開発の可能性を、アシモフがロボットSFとファウンデーション・シリーズで描きだした未来図をもとに検討していく。アシモフたちが想像したロボットと、実際のAIとの違いを、ネット接続の有無で区別し、宇宙開発の限界を通信のタイムラグで説明する。そして未来のAIと人類のあり方を、アシモフの作品を解析することによって明らかにしようとしていく。中高生向けの新書やけれど、内容はよほどSFが好きか科学にくわしい人やないとついていかれへんやろうな。いや、大人でもなかなか難しい高度な内容です。
 著者は社会哲学の専門家で、ここでは宇宙に進出した人間の行動規範となる「宇宙倫理学」を提唱する。そこでは高度に発達したAIも人間扱いすべきなのかどうかという問題提起がなされる。古典的な名作から最近の作品も例示してSF作家が現実の科学の進み方に合わせ、宇宙の描き方も変化してきたことを示したりもするので、そこらあたりはわかりやすい。とはいえやはりかなり歯ごたえのある本なので、中高生向けの新書やという意識は捨てて読んだ方がよい一冊でありました。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: