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大塩平八郎の逆襲 [読書全般]

 朝イチに生徒が奨学金関係の書類を持ってきた。まだあと一人持ってきてへん生徒がいてるけれど金曜まで待ってても来なんだら遅うなるんで、とりあえず郵送。できることは少しでも早めにやっとかんと。パソコンに向かい、事務作業に専念。午後は転入者の合格判定会議に出席。あとは仕事部屋の掃除……と思うてたけれど、ゴミ捨てを少々とかなりの低速モード。もっとも不要な書類がかなりたまってるから、けっこう量はあるのです。定時に退出。
 帰宅してアニメを見たり本を読んだりして過ごす。夕食後は年賀状の図案作成。叩き台を作り、妻にチェックしてもらい、修正して図案は完成。ことデザインに関しては、私は高校時代のクラブで少しかじった程度で、美術系の妻に見てもらわんと不細工なレイアウトになってしまう。大学時代の同人誌の編集では内容もちろんデザインにもかなり気を使うて「見て美しく、読んで面白く、役に立つ」ファンジン作成を目指していたのを思い出します。明日あたりから印刷にかからねば。
 田中啓文「大塩平八郎の逆襲 浮世奉行と三悪人」(集英社文庫)読了。シリーズ完結編。横町奉行の雀丸と、彼を支える三すくみがそれぞれ災厄にあう。それぞればらばらに見えた事件の陰には16年前に反乱をおこして亡くなった大塩平八郎の信奉者たちがかかわっていることが少しずつ明らかになっていく。そして幕府転覆をねらう一派の計画を阻止するために、雀丸たちは駿府へ向かう。その時、江戸に向かう米国のペリー艦隊が現れて……。
 前巻に引き続き歴史上の人物が登場。時代小説で歴史上の人物がからむと、どうしても史実との整合性をちゃんとせんといかんから、歴史小説にシフトしてしまうことになるんやけれど、そこらあたり、虚実ないまぜにし、なおかつミステリーの要素もきっちりと入れるという完結編にふさわしい手のこんだものになっている。巻末に記載された参考資料を見ると、田中さんがどれだけ史実をしっかりと消化した上で物語を構成しているかがよくわかる。義人として知られる大塩平八郎の偶像を新たな視点から見直したりもしていて、非常に興味深い。シリーズ当初は登場人物のからみ方に苦労してた感があったけれど、ここまで来ると田中さんも登場人物を自在に動かしている。もう少し続いてほしくもあるけれど、おそらく計画通りに完結させたんやろうなあ。次のシリーズはどんな感じのものになるのか。あるいはきちっと完結してへん「鍋奉行」シリーズを完結させるのか。田中さんのことやから、また凝った設定のものを出してくるんやろなあと、シリーズ完結を惜しみつつも次作に期待してもいるのでありますよ。

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