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嗚呼!! 明治の日本野球 [読書全般]

 出勤したら、学生支援機構より昨日問い合わせた通知の件についての返答がFAXで届いていた。おお、迅速な反応と感心していたが、よくよく読めば、通知の来てへん生徒は以下の条件のいずれかを満たしてへんので選考が1月になる、ということしか書いてへん。生徒個別にどの理由で遅れているかはわからんようになっている。しかも、以前送った文書で、遅延生徒の一覧を確認するよう知らせていたであろうと、まるで担当者の怠慢であるかのようにも読める書きようまでしてある。むかっときたけれど、返答があっただけましと思い直し、通知の来てなんだ生徒向けに文書を作成する。機構が答えてきた条件をそのまま掲載。それしか私にはでけん。全国の学校に同じ文書を送っているんやろうなあ。
 授業はひとコマ。書類未提出の生徒が持ってきた分だけ、育英会や支援機構に送付。まだ未提出の生徒が残っているので、再督促の文書を作成。早く出して落ち着かせてくれよ。
 午後からは会議。終了後は育英会から新たに送られてきた文書の封筒詰め。こちらは告知文だけなんで、返答がこないなどとやきもきする必要はない。年末に向け、細々とした仕事を一つずつ片付けていく。定時に退出。
 帰宅後は録画したアニメを見たり、読書したりして過ごす。
 横田順彌・編著「嗚呼!! 明治の日本野球」(平凡社ライブラリー)読了。10年以上前に出たのを未読のままにしていたけれど、未読本の書棚から引っ張り出して読む。出版されたのは2006年。早慶戦の始まりと中断、野球害毒論とそれに対する反論などを、当時の雑誌や新聞から仮名遣いや漢字などを修正しただけでそのまま掲載し、明治時代の野球を取り巻く環境がどうやったかということを生々しく伝える。まさに横田さんならではという一冊。第一次資料を大量に読みこみ、最も正確に当時の空気を伝えるものを選び出して収録しているわけやから、誰にでもできる仕事やない。日本に野球が伝わったころは、一高が最強やったのを早慶が追い抜き、その対戦がヒートアップして大騒動となり、早慶戦は中止に。さらに新聞の部数アップのために東京朝日新聞が打ち出した「野球害毒論」のばかばかしさと、それに対して押川春浪らの反論。横田さんはこの段階で朝日が勝っていたら、のちの日本野球の隆盛はなかったと書く。そして、本書が出版された当時、近鉄バファローズの消滅、楽天イーグルスの発足、Jリーグの熱狂に比して下降する野球人気という状況があり、明治時代のこういった事件を照らし合わせて日本のプロ野球の行く末を案じている。幸い、地方に分散したパ・リーグの各チームが新たなファンを獲得し現在に至ることになり、横田さんのこの時の心配は杞憂に終わった。それでも本書で横田さんが提起した問題が解決したわけやない。日本の野球史の貴重な資料として価値の高い本である。横田さんを野球殿堂入りの候補に挙げる人はいてへんのかなあ。それだけの価値のあることをやってはったんやと再確認した次第。まだ品切れ絶版になってへんようなので、興味のある方はぜひご一読を。明治時代の空気を味わってほしい。

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